擦り傷が嫌“デニム王子”土肥に世界切符、登るたび成長中

[ 2019年5月27日 05:30 ]

スポーツクライミング 複合ジャパンカップ最終日 ( 2019年5月26日    愛媛・石鎚クライミングパークSAIJO )

複合ジャパンカップ男子決勝 4位の土肥のボルダリング
Photo By 共同

 男子決勝で18年ユース五輪金メダリストの土肥圭太(18=鹿児島県連盟)がスピード8位、ボルダリング1位、リード5位の40点で4位に入り、世界選手権(8月、八王子)の代表に決まった。デニムのロングパンツで競技に臨む異色のクライマーが、20年東京五輪戦線に名乗り。男子は楢崎智亜(22=TEAM au)が連覇、女子は野中生萌(22=XFLAG)が初優勝した。

 半ズボンが主流のクライミング界に“デニム王子”が降臨した。ストレッチが利いたデニムのロングパンツをはき、18歳の土肥は軽快なムーブを披露する。既に代表に決まっていた4人を除く最上位となる4位で、初めて世界切符を獲得。「相当、頑張った。世界選手権に出られるということでうれしい」と笑みを浮かべた。

 約5年前から、クライミング用品メーカーの競技仕様のデニムを愛用する。「膝を擦ったりして、擦り傷ができるのが嫌なんで」。1種目目のスピードは黒のロングパンツで登ったが、残りの2種目はデニムでアタック。ボルダリングで1位となり、リードも5位と粘った。

 20年東京五輪の枠は2で、まず世界選手権7位以内の日本人最上位選手が決定。残る1人は20年複合ジャパンカップで決まる。まだ上位陣との差はあるが、ポテンシャルは十分。「今、成長を実感できている。来年のジャパンカップまでには間に合う」。はけばはくほど味が出るデニムのように、18歳は登るたびに強くなる。

 ◆土肥 圭太(どひ・けいた)2000年(平12)10月17日生まれ、神奈川県平塚市出身の18歳。小学校低学年でクライミングを始める。18年ユース五輪で金メダルを獲得し、今季はW杯ボルダリングで自己最高の4位に入った。趣味は中国ゴマ、カードマジック。1メートル72、60キロ。

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