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"海上竜宮"から夢心地の五目海鮮丼

[ 2021年2月16日 07:25 ]

観念したかのように良型のイサキが                               
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 【一釣一品食べま専科】海鮮丼を食す。訳ありでね。イキのいい魚をそろえなきゃならなくなったんだ。一遍に、となると五目釣りの江見・新栄丸だ。ポイントは間近、豊かな海はおいしい。(スポニチAPC・町田 孟)


 浦島太郎は海の底で乙姫さまの“酒池肉林”接待に狂った。タイやヒラメを舞い踊らせて、時の過ぎるのを忘れちまうんだから。

 ここ江見沖は海上竜宮ね。港から10分で高級魚が口を開けて舞い踊っているんだもの。イサキ、ハタ、アマダイ、ホウボウ、キントキ。太郎サンにあやかってムフフ、よだれが出ますがな。我を失ってもいいや。

 なぜ、五目かって?

 家人との海鮮丼騒動が原因。出先でのこと。お昼に彼女が強く「食べたい」と。こちらは思い切り朝食を取っていたので「食べない」でスルー。あてこんで朝を控えていた敵さん、怒ったねえ。結局犬も食わないなんとやらに。あれから数カ月、いまだにチクチク。で、なんとか黙らせようの一念さ。

 【釣戦】メインはイサキだ。仕掛けはウイリーの3~5本バリ。オキアミは食いが立てば付けなくて十分だ。武ノ内一浩船長からは「勝負は2分ですよ」。一投必殺。指示ダナの前後を探ってダメなら即入れ直し。

 とにかくスピードが命。取り込みにしても仕掛けが長いせいもあるけれど、通路を行ったり来たり。船長の持論「釣りはスポーツ」をホント、実感させてくれる。老体にはチト厳しいがね。幸い食いが立ってわずか2時間で制限の50匹を釣り切った人も出た。「今は1種目だけ数を出す時代じゃない」。新感覚の持ち主は次のターゲットへ船を進めた。

 ちょいと苦戦したね。結局オケにはイサキ25匹、ハタ1匹、カイワリ1匹、キダイ5匹の4目。ホウボウ、アマダイには袖にされたけれど。まっ、いいか。

 【クッキング】こればっかりは魚さえ下ろせばでき上がる。イサキは湯引きと皮を引いてそぎ切り。ハタ、カイワリも同様に。大きめのキダイはあぶりで。丼に酢飯を7分目ほど。好みで、ゴマをまぶす。後は交互に盛り付け。彩りにイクラのしょうゆ漬けを散らしてさあ、どうだ!。

 家人、薄笑いを浮かべ「おいしい。だけど、一番好きなウニが入ってない」。てやんでえ、ウニが釣れるか?また“開戦”だあ。

 ○…岩田清久さん(75)はイサキスナイパーだ。ポイントに到着していきなり船長から「もう当たり出てますよ」。それからなんと空振りなし。ダブル、トリプル織り交ぜて20連チャン。2時間50匹の当人だ。キャリアは「40年くらい」。足立区で和風レストラン「マドレーヌ」とマンションを経営している。地元の釣友、新井徳次さん(86)、霍間達雄さん(71)と冬の一日を楽しんでいた。

 ○…コツコツとしゃくり続けていたのは浦安市の沢田忍さん(65)。主戦場は「あちこち」で月に2回お出掛け。イサキ20匹にホウボウ、キダイとクーラーは色とりどりになった。

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