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アジ&タチウオ 手ぶらなしリレー 心躍る夕食のおかず“お約束”

[ 2021年1月19日 07:13 ]

竿頭の遠藤みどりさん(左)二女・風花さんも3匹。クーラーにはアジも50匹以上  
Photo By スポニチ

 【実釣見分】リレー釣りの妙味を見分する。ついでにクッキングのおまけ。1度に2、3種類を狙う船は少ない。あえて専門にしている南六郷・ミナミのアジ・タチウオ船に乗り込んだ。(スポニチAPC・町田 孟)

 町の雑貨屋さんかもしれない。専門店ではない。魚種別に船を出せる大きな船宿ならいざ知らず、リレーはお客さんの要望に多角的に応えるシステムだ。

 例えばアマダイを釣りたい。でも空振りは…。じゃあ、お土産を確保してから本格的に。安心感がある。

 安達祥一若船長=写真=は「うちはリクエスト中心ですから。その上で手ぶらじゃないように」。ミナミの流儀だ。マアジ、タチウオ、アマダイ、マゴチ、スミイカ、オニカサゴ、シロギス、カワハギ…。その時々で好みを組み合わせればウィンウィン。

 当日は、まずお土産用アジを確保。次は本命タチウオ。帰りしなに大アジ狙いの行程。

 と、右舷で目を引いたのが母娘連れ。たいてい、父と子がほとんど。珍しいペアは川口市からやってきた遠藤みどりさんと冬休み中の中学校1年生の次女・風花さんだ。ご主人の信さんは「堤防などには行くんですが、船は全くダメ。働きに行ってもらっています」。長女の楓さん(高2)も興味がない様子。 自身は「2年前から船に。子供が大きくなったので何か一緒にやりたいと」。ダイビング歴10年、海に慣れていることも手伝ったようだ。
 アジの経験はそこそこあるがタチウオは2回目。「餌は初めてです。最初はジグで3匹でした。でも、スーパーで買うのと全然違いますよね」。リレーにこだわった。もしタチウオはダメでもアジは外れがない。主婦感覚である。「ネットで必死に宿探ししました」。

 冬タチは難しい。「夏場のようにシャカシャカ誘わず、ふわふわさせて当たったところで少し待って聞きながら合わせる感じで」。祥一船長から一通りレクチャーを受けて奮闘開始。ビギナーに等しいみどりさん、なんとツ抜けて竿頭。「刺し身が大好き」な調理係の風花さんも3匹。「下ろすの上手なんです。YouTubeで覚えたみたい」。ママの太鼓判に相好を崩した。

 頭の中は夕食メニューでいっぱいだったのだろう。心躍らせながら今住みたいNo・1の街への帰路に就いた。

 【クッキング】アジとタチウオのカクテル。アジ、タチウオもサイコロ状に。アボカドも同様、ラディッシュは薄く半月。三つ葉を1センチ幅に刻んでおく。ワイングラスまたは高さのあるコップの中へ交互に重ねる。三つ葉を乗せ最後に薄味のしょうゆダシで味付けしたジュレを掛ければおしゃれな一品だ。

 ジュレを台湾産スイーツの先駆け、愛玉子(オー・ギョー・チー)で作った。寒天でもなくゼラチンでもない。台湾固有のイチジク科植物の種が原料。布に包んで常温の水道水の中で10分ほどもむとトロトロに。それを冷蔵庫で冷やすとゼリー状に固まる。ダシ汁と薄口しょうゆをベースにすれば良い。

 谷中に同名の専門店があって甘いシロップからブランデーまで好みで楽しめる。かの楊貴妃も好んだと言われる。

 ▼釣況 東日本釣宿連合会所属、南六郷・ミナミ=(電)03(3738)2639。釣り物、出船時間、料金は要問い合わせ。

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