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女性に優しい東京湾のシーバス 文豪・開高健のいう通り!?

[ 2020年12月5日 16:24 ]

坂本桜愛ちゃんは筆者の次男、尚樹の指導で人生初の魚、58センチを釣り上げた
Photo By スポニチ

 【奥山文弥の釣遊録】 東京・羽田の遊漁船をチャーターし、「フィッシングカレッジ奥山塾」でシーバス釣りに出掛けました。

 毎年この時季は浦安から船橋あたりの浅場にイワシやコノシロが集まるので、それを食べるシーバスやイナダ、サワラなどを狙います。

 参加者は釣りが初めての人を含む18人。写真撮影時以外はマスク着用で、初心者指導も隣り合う人が教え合うという方式で開始。長男・勇樹、次男・尚樹もアシスタントで参加してくれました。

 まずは羽田の多摩川河口でウオーミングアップ。初心者にはキャスティングの練習、そしてベテランはこの時季ならではのランカー狙い。周りには小型チャーターボートを含む10隻以上が集結していました。

 ここですぐに関真人さんにフッコ級がヒット。盛り上がります。そして畑雄二郎さんが引いていた24センチある「ダウズスイマー」というビッグベイトに大物が追いかけてきてさらにヒートアップ。しかしその後は何もなく、コノシロが群れているという沖合に移動。魚探反応はバッチリでしたが、漁船が底引き網を引いていたので、魚がおびえているのか全くヒットはありませんでした。

 そこからメイン会場の浦安・ディズニーリゾート沖へ行き記念撮影をした後、気合を入れて中盤戦に臨みました。ここでは魚が散らばっているようで、ポツリポツリとヒットがありました。18人が同時に投げているのですから、やる気のある魚がいればどれかにヒットします。平均サイズは45~50センチぐらいでした。

 ここで大きくロッドが曲がりました。釣り2回目の中学生・坂本桜愛さんです。彼女はレンタルタックルで、ドラグ調整は指導していた尚樹がしたので大丈夫。あとはラインを緩ませないように巻くだけ。女子がヒットしたので周りの注目度も大。釣り上げたのは58センチ。彼女にとって十分な大物でした。お父さんもルアーをジャッカル「ビッグバッカー80」にチェンジするとすぐにヒット。これは50センチ級。そうなると大学生の姉、愛莉佳さんが悔しがります。お母さんは心を無にして投げ続けます。家族フィッシングの“あるある”で、知らないうちにライバル意識が目覚めます。お母さんも家族の釣果を喜びながら、心穏やかではなかったのでしょうか?何匹かのヒットをバラしたあとビッグヒット。掛かったのはスズキと呼ぶサイズでした。しかし、これは惜しくも船べりでフックオフ。それでも投げ続ければヒットすると分かったので、だれることなくキャストを続け、満足の一匹をゲットしました。

 午後の終盤近くになり、今度は愛莉佳さんのロッドが大きく曲がりました。「重い!強い!」と叫んでいました。リールのドラグがギリギリうなります。ネットに収まったのは丸々太った64センチでした。その口にはビッグバッカーがガッチリ刺さっていました。 「なぜか女によく掛かる」。かの文豪・開高健のいう通り私たちのチャーターでもそうなりました。

 この日全員釣果でヒットは100発以上。キャッチは50匹ぐらいでした。東京湾のシーバス。いろんなスタイルで楽しめることが今回も証明されました。(東京海洋大学客員教授)

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