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美しい水の恵み ドナルドソン53センチ

[ 2019年12月26日 09:56 ]

53センチのドナルドソンを釣った筆者
Photo By スポニチ

 【釣りの旅】「うらたんざわ渓流釣場」は神奈川県の丹沢山系の大室山を水源とする道志川支流の「神の川」の自然渓流を利用したルアー・フライ管理釣り場だ。中央自動車道相模湖ICから釣り場へ向かう国道413号(道志みち)は東京五輪・自転車競技ロードレースの舞台となる。(吉田 俊彦)

 10月、甚大な被害をもたらした台風19号。丹沢にも1日500ミリという猛烈な雨が降った。「うらたんざわ渓流釣場」のある道志川支流の神の川も例外ではなく、河床と河川敷が削られ釣り場は崩壊。養魚施設まで失ってしまった。しかしオーナーの井上克彦氏は自らショベルカーを操り約1カ月という短期間で釣り場を再開したのである。

 「うらたんざわ」の魅力を一言で言うなら美しい水である。水源を大室山に持つ神の川だけは今も青く澄んだ水が流れているのだ。再開した釣場は上流側C&Rエリアの「ヤマメクラッシック」と下流側の「フライ・テンカラ&ルアーエリア」に分かれる。

 筆者は平日の午前9時すぎに釣り場に到着。釣り場復活の噂を聞いてかすでに10人ほどの熱心なファンが来場していた。

 「フライ・テンカラ&ルアーエリア」はいろいろな釣り方が試せるのが魅力。フライのマーカー釣りが多数派だが、私はシンキングラインを使ったウエットフライフィッシングを選択。ダブルハンドロッドもOKなので2つのフライを使って川底に潜むドナルドソンの大物を狙った。

 ドナルドソンとはニジマスの大型選抜個体と降海型のスチールヘッドを交配した優良血統種だ。フライへの反応がいまひとつの時には複数のフライを使用するドロッパーシステムは有効。見た目の違う複数のフライの組み合わせは思わぬ効果を発揮する。ロッドはハーディーのバンブー12フィート。ラインはタイプ3#8WFシンキングライン、リーダーには新発売のVARIVAS「テーパードリーダー DH/サーモン FHT18フィート3X」を使用した。バットが細い独特のフロント・ヘビー・テーパーは18フィートと長めだが異次元のターン性能でフライを正確にポイントに打ち込むことができる。

 狙い通りにフライが沈みドリフトが決まったと思った瞬間にズシンと手応えが来た。合わせる間もなく大物特有の頭を振る動きが伝わって来た。すぐに対岸まで走ってジャンプ。その後も重厚な引き込みを繰り返し激しく抵抗。53センチ、オスのドナルドソンだった。ヒットフライはVARIVAS「2430V・WBL #10」に巻いたオリーブゾンカー。あえて人と違うスタイルを試してみることで大物と出合うチャンスが広がると思う。今回のような低活性時こそバーブレスフックならではの掛かりの良さが最大のメリットとなる。釣るためのバーブレスなのだ。

 ◯…東京五輪の自転車ロードレースの開催は、男子が7月25日、女子は26日。日本代表選手は各2人。東京都調布市の武蔵野の森公園から静岡県御殿場市の富士スピードウェイ間の約234キロ。五輪史上最難といわれる獲得標高4865メートルのコースが話題に。相模原市青根の国道413号付近は無料で観戦可能。メダルは個人に授与されるが、各国のエースを勝たせるためのチーム戦が見どころだ。

 ▼釣況 うらたんざわ渓流釣場(神奈川県相模原市緑区青根3769)=(電)042(787)2657。

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