船舶専門家の神大教授 知床の観光船遭難に「もっと早い段階から連絡していれば、少し状況は…」

[ 2022年4月25日 16:08 ]

 神戸大学海洋政策科学部の若林伸和教授が25日、日本テレビ系「情報ライブミヤネ屋」(月~金曜1・55)に生出演。北海道・知床半島沖で子ども2人を含む乗客乗員26人が乗った観光船「KAZU 1(カズワン)」=19トン=が23日に遭難した事故について語った。

 船は23日午前10時頃、斜里町ウトロの港を出港。午後1時18分、港から北東約27キロの「カシュニの滝」付近から「船首が浸水している」と1管に救助要請があった。そして運航会社「知床遊覧船」(同町)に午後2時頃、「30度ほど傾いている」と連絡した後、音信が途絶えた。

 MCの宮根誠司が「往路なのか復路なのか、どこで座礁したのか、(どこで)船が浸水して沈没したのか分からないんですけど、所要時間3時間なんですね。で、午前10時に出発して午後1時18分というのは、3時間のコースなので本当は帰ってきてないとおかしい時間」と指摘する。

 これに対し、若林教授は「普通のスケジュールで考えると、もし帰りだとしても12時過ぎにはそのあたりを通ってないといけないので、1時を過ぎてそのあたりで通報というのは、かなり時間がかかっている感じがします」とコメント。「行きなのか帰りなのかは今や分からないんですけど、行きの可能性もあって、いろいろな不調でいつも通りに運航できなかった可能性はありますから、割と早い段階から船長は異常を感じていたんじゃないかと想像します」と予想した。

 ここで宮根が「もし船長が異常を感じていながら運航を進めていたとなると、何でそんなことをしなきゃいけなかったのか不思議ですよね」と疑問を口に。すると若林教授は「もっと早い段階から連絡していれば、少し状況は変わったかなという気がするんですが、やはり何とかなるんじゃないという心理が働きますんで、少しずつ行ってしまったということも考えられます」と神妙な口調で語った。

続きを表示

2022年4月25日のニュース