船舶専門家・若林教授が指摘 知床観光船事故、船長は沈む30分以上前に「異変に気づいたはず」

[ 2022年4月25日 17:33 ]

 北海道・知床半島沖で発生した観光船事故を受け、MBSテレビ「よんチャンTV」では25日、神戸大学大学院で海難事故調査や原因究明を行う若林伸和教授が解説した。

 当日は3メートルの波があったとされることに、若林氏は「3メートルはもの凄い。2.5メートルの船からしたら上から振ってくるよう。常に波をかぶっている状態で、小型船舶の出航はありえない」と断言。出航の判断は「船長自身も命にかかわることで、ノーと言ってほしかった。経営的な問題で、見えない圧力がかかっていたことも勘ぐられる」と、運営会社側の事情が複雑に絡んでいる可能性を指摘した。

 また、船が沈み始める30~60分前には船長が異変に気づいていたはずだった、とも指摘した。「ちょっとずつ前が下がって行ってるな、というのが分かっていたと思います」。浸水し始めた段階で「非常に原始的ですが、バケツで水をくんで出すなどするべきなんです」と話した。

 同観光船の構造上、傾き船首が沈んでしまうとエンジンが止まり、舵が取れずどうしようもない状態になるという。「水温5度では30分水につかると生命が維持できない。結果論ですが、エンジンが動いて制御できている状態で、それ以上沈まないよう陸岸に近づいて、わざと乗り上げる“任意座礁”の手もあったのでは」と語った。

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2022年4月25日のニュース