「ちむどんどん」賢秀役・竜星涼 2回目の朝ドラ 目指すは「うざい芝居」

[ 2022年4月25日 08:30 ]

連続テレビ小説「ちむどんどん」で長男・賢秀役を演じる竜星涼(C)NHK
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 【牧 元一の孤人焦点】NHK連続テレビ小説「ちむどんどん」でヒロイン・暢子(黒島結菜)の兄・賢秀を演じている俳優の竜星涼(29)がインタビューに応じ、作品への思いを語った。

 ──自由奔放な賢秀という役柄をどんな思いで演じていますか?
 「僕は根本的にネアカな性格なので、演じていて楽しいです。陰と陽で言えば、陽を演じる方がイマジネーションがわいて、アドリブが出やすいんです。アドリブを入れ過ぎると単なる自己満足になってしまうけれど、インスピレーションがわくということは、お芝居をしていく上で楽しいです」

 ──賢秀は、家族のためにさまざまな挑戦をするけれど、かえって迷惑をかけることが多いという設定ですね。
 「賢秀は思ったことを何でも素直に実行してしまいます。ちょっと破天荒で、人に迷惑をかけることも多いけれど、それでも、結局は許されてしまう。許されてしまうのは、そこに愛情やひたむきさがあるからで、僕自身もそうなれたらいいなと思う部分があります」

 ──朝ドラは2017年の「ひよっこ」で茨城県出身の警察官の役を演じて以来、2回目ですね。
 「『ひよっこ』では、方言に苦しんだり、自分の中では、打ちのめされた感覚がありました」

 ──なぜ打ちのめされたのでしょう?
 「きちょうめんな性格なので、方言を指導された通りにしゃべりたかったんです。でも、方言を意識し過ぎると、イントネーションが優先されて、芝居に気持ちが入らなくなってしまって、普段通りの芝居ができないことがありました。今思えば、あれが良い経験になりました。芝居は心のキャッチボールで、自分の思いを伝えることが大事だから、方言にこだわるのはやめようと思うようになったんです」

 ──今回は、沖縄ことばですね。
 「最初の頃はアドリブが出しづらいと思ったけれど、だんだん慣れて、現地のことばだということにとらわれないでしゃべれるようになりました」

 ──4人兄妹(川口春奈、黒島結菜、上白石萌歌)の芝居の中で、どんなことを心掛けていますか?
 「ほかの女優さんたちがしっかりとした素敵なお芝居をされているので、僕は横で『うざい芝居』をしようかな、と思っています。見ている方々は本当に『うざい』と思うかもしれないけれど、それが僕の考える賢秀だし、見ている方々を飽きさせないスパイスになれればいいと思います」

 ──「うざい芝居」は面白そうです。
 「この朝ドラは、僕が出演したドラマ『昭和元禄落語心中』(2018年)でご一緒した羽原大介さんが脚本、小林大児チーフプロデューサーが制作統括で、僕を生かしてくれる役柄と脚本をくださっているので、それに素直に従って演じたいと思います。羽原さんには『脚本以上にやり過ぎないように』とくぎを刺されましたけれど、僕に託してくれる人たちの中で演じられる喜びをかみしめながら撮影に臨んでいます」

 ──最後に、視聴者へのメッセージをお願いします。
 「『賢秀のような芝居は十八番』と周りから言われます。十八番の芝居をたくさんの方々に見ていただく機会をいただけたので、それをもっともっと浸透させていきたいと思います。『国民的ニーニー(賢秀)』になれれば、うれしいです」

 ◆牧 元一(まき・もとかず) 編集局総合コンテンツ部専門委員。芸能取材歴30年以上。現在は主にテレビやラジオを担当。

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