「児童虐待撮りました」少年への“過激な演技指導”で批判殺到 小林勇貴監督のクレジット削除される

[ 2022年4月25日 15:39 ]

小林勇貴氏のインスタグラムより(@violencejack_film)

 22年夏公開のバイオレンス映画「激怒」の公式ツイッターが25日に更新され、映画監督の小林勇貴氏(31)のクレジットを削除することを発表した。

 ことの発端は「VICE Japan」が17年12月5日にYouTubeで公開した「小林勇貴監督作品:映画『ヘドローバ』撮影舞台裏 ④『長』編」というタイトルの動画。メイキング映像を映したものだが、子役を務めた少年への「過激な演技指導」が批判の的になった。

 少年は元プロ格闘家の俳優から髪をつかまれ、何度もビンタを受ける。にぶい音が響くなか、途中で嘔吐する場面もあった。現場にいた小林監督は「これだけ殴られたところを見ると、これに説得力がすごくあるね。恐ろしいものが撮れてしまいましたが、そうですね。でもすごい良かったです、“児童虐待”撮りました」と笑顔。激しく殴られ続けた少年は「とにかくヤバかったです…いろいろ、死にそうでした」と、撮影後のインタビューで語っていた。

 この動画が一部ユーザーによってSNSで拡散されると、ネット上では「ひどすぎる」「これはただの暴力」「ガチ泣きしてるやん…ええ…」「こんなの演技じゃないよ 泣いたり、怯えてるのは生理現象」「これはどう考えても虐待。あの雰囲気の中で大人に囲まれてNOと言える子供がいるわけがない」「見ててすごくつらい」といった批判が殺到。また撮影現場にエキストラの子どもが多くいたことから「心理的なトラウマを抱かせるのでは」と指摘する声もあった。

 そして、今月25日に映画「激怒」のプロデューサー・森田一人氏が声明を発表。「現在、映画監督・小林勇貴氏の過去作品の制作現場での『演出』が問題となっています。まったくもって言語道断であり、容認できようはずもありません。我々は事態を重く見ており、小林氏のクレジットを『激怒』から外すことを決定いたしました」と投稿。

 また「小林氏は『激怒』のプロット(あらすじ)をまとめる作業に参加しており、そのため『原案』としてクレジットしていましたが、演出(撮影現場)には一切関わっておりません」と、演技指導には携わっていないことを強調。「本件につきましては去る4月21日、小林氏からクレジットを辞退したい旨のメールを受け取っておりますが、その後現在に至るまで先方の公式見解は発表されておりません。こちらとしましては、これ以上待つわけにはいかず、『激怒』から小林氏のクレジットを外したことをここにご報告させていただきます」とした。

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2022年4月25日のニュース