羽生九段 「ギリギリ」の初白星 王将戦挑戦者決定リーグ

[ 2021年10月6日 05:30 ]

近藤誠也七段を下し、リーグ1勝目を挙げた羽生善治九段(左)
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 将棋の第71期ALSOK杯王将戦(スポーツニッポン新聞社、毎日新聞社主催)は5日、東京都渋谷区の将棋会館で挑戦者決定リーグの1局を行い、羽生善治九段(51)が94手で近藤誠也七段(25)を下した。羽生は1勝1敗、リーグ初戦の近藤は1敗。 羽生VS近藤指し手

 角交換後に互いの飛車が最下段に引いてじっくり戦う戦型となった。先手の近藤から積極果敢な攻撃を受けた羽生は自王を右サイドに繰り出す。「昔、同じ形で指したことがある。久しぶりだった」。居飛車戦ではやや不安定な「右王」を強いられながら、ひらりひらりと相手パンチをかわす姿は足取り軽い闘牛士のようだ。

 「危ないとは思ってました。(近藤の)攻めがつながるかどうかギリギリのところだったので」

 辛抱が奏功した中終盤からじわりと反撃する。相手の飛車を無力化してから待望の寄せ。大詰めの86手目△8六歩で優位を確信し、90手目△9五歩を指す際には右手がかすかに震えていた。

 リーグ初白星をゲットした羽生は「今後も一局一局を大切に戦っていきたい」と話した。タイトル獲得100期に向けて足踏み状態が続く中、意味深い1勝だった。

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2021年10月6日のニュース