藤井2冠 豊島叡王との第3局に勝利し自身初3冠へ王手 奪取なら羽生九段を3年2カ月更新する最年少記録

[ 2021年8月9日 19:23 ]

叡王戦第3局に勝利した藤井聡太2冠(日本将棋連盟提供)
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 藤井聡太2冠(19)=王位、棋聖=が豊島将之叡王(31)=竜王との2冠=に挑む第6期叡王戦5番勝負の第3局は9日、名古屋市の料亭「か茂免(かもめ)」で指され、藤井が121手で勝利した。22日、同じく名古屋市での第4局に勝利すれば叡王を奪取し、最年少3冠となる。

 羽生善治九段(50)が1993年1月に達成した22歳3カ月での3冠を19歳1カ月と3年2カ月更新する。当時、王座、棋王の羽生は谷川浩司3冠から竜王を奪取。終局後、藤井は最年少3冠について「自分が意識することではない。これまで通りの気持ちで臨めれば」と語った。

 藤井の先手で開幕し、戦型は角換わり腰掛け銀に。両者の対局では非公式戦ながら18年12月、新人王戦で優勝した藤井の記念対局と54手目まで同じ形。記念対局では藤井が89手で勝った。

 この日、午前中に71手まで進んだハイペースもうなずける、両者習いのある展開。相居飛車の3大戦型、矢倉と相掛かり、角換わりでは4局連続の角換わりになった。

 交換した角桂を早々に手放し、豊島角に成り込みを許す。馬と香による挟み撃ちは一手の失着が負けに直結する。「中盤難解だったが、本譜は駒を使ってしまって。うまくいってないのかなと思った」。藤井が自王の安全を見切っての反撃を結実させ、豊島を投了へ追い込んだ。

 同一カードで平行開催中の王位戦7番勝負では藤井が2勝1敗。佐賀県嬉野市での第4局が18、19日に控える。

 例年10月開幕の竜王戦7番勝負でも豊島に挑む挑戦者が藤井と永瀬拓矢王座(28)に絞られ、その挑戦者決定3番勝負が12日開幕する。そして本社主催・第71期ALSOK杯王将戦では3期連続の挑戦者決定リーグ入りがかかる稲葉陽八段(33)との対局が16日にある。熱い藤井の夏は、まだまだ続く。

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2021年8月9日のニュース