山口香氏 東京五輪の“功罪”語る 「ジェンダー、差別の問題に光」も日程問題指摘

[ 2021年8月9日 21:31 ]

山口香氏
Photo By スポニチ

 日本オリンピック委員会(JOC)元理事で、元柔道世界女王の山口香氏(56)が9日、BS-TBS「報道1930」(月~金曜後7・30)に生出演し、8日に閉幕した東京五輪における功罪について私見を語った。

 番組では、五輪で見えた日本の実情を、「人権意識の低さ」、「責任のあいまいさ」、「五輪は誰のためのものか」、「商業主義」の4項目に分けて分析した。

 山口氏は「功」の部分として、人権問題をピックアップ。「ジェンダーの問題だったり、差別の問題に光が当たったというか、皆さんが意識するようになった。これは一つ、評価できる」と前向きに語った。一方で、「ただ、これを『のどもと過ぎれば…』じゃないですが、忘れないで、どうしていくかということが必要」と訴えた。

 さらに「罪」の部分として挙げたのは、日程問題。「この暑さ。これはもう、ここ(東京)に決まった時点で問題視されていたわけですよね。ただ、そこしかスケジュール的に置かざるを得ない状況にあるわけですよ」と指摘した。

 日本の夏は近年、危険な暑さが続いている。山口氏は「アスリートたちの最高のパフォーマンスを見せるための大会にはそもそも設定されていない」と問題視した。五輪憲章で大会期間が決まっている中、スケジュールに無理が生じているサッカーに言及。山口氏は「サッカーなんかもそうですけど、あれだけヘトヘトになるまでやって、1日終えて次(の試合)みたいな。ああいったことも、超一流の選手をここに呼んでくるのがおそらく難しくなるだろう」と改善の必要性を訴えた。

 大会は日本勢の躍進により、日本国内では盛り上がりを見せた。山口氏は「今回、アスリートたちの力を見せてくれた」と喜びつつも、「見せられなかった選手たちも実はいっぱいいたよね、ということを感じました」と付け加えた。

続きを表示

2021年8月9日のニュース