藤井2冠 朝日杯3度目V 準決、決勝2戦続けて逆転勝ち「開き直ったのが結果に」

[ 2021年2月12日 05:30 ]

優勝し笑顔を見せる藤井2冠(撮影・小海途 良幹)
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 将棋の第14回朝日杯オープン戦は11日、東京都内で準決勝以降を行い、藤井聡太2冠(18)=王位、棋聖=が準決勝で渡辺明王将(36)=名人、棋王との3冠=、決勝で三浦弘行九段(46)を下し、2年ぶり3回目の優勝を果たした。

 表彰式でトロフィーを掲げる高校生棋士が浮かべた笑みは、決して会心ではなかった。「過去2回の優勝に比べ、苦戦した印象がありますので…」。渡辺戦も三浦戦も、終盤は明らかに敗勢の局面に追い込まれた。それでも歯を食いしばって逆転のアヤを探る。マスクを外したまま脳内に新鮮な酸素を取り入れ、前傾姿勢を崩さず指し続けるさまはまさに鬼神だ。

 「どちらも苦しい状態の時間が長かったが、その中でも開き直って勝負したのが結果につながったと思います」。準決勝では寄せを急ぐ渡辺の悪手を誘い、あっという間に逆転。決勝でも三浦が「読んでなかった」という好手で勝利を手繰り寄せる。優勝賞金750万円を手にしたものの「秒読みに課題が残る。そこは反省しないと」と神妙な顔つきだ。

 この日の2勝で、昨年10月29日の王将戦挑戦者決定リーグ・佐藤天彦九段戦以来14連勝で、今期の1位に並んだ。無人の野を行く藤井に、さらなる凄みが付加されつつある。

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2021年2月12日のニュース