田中秀征氏 菅義偉首相の日本学術会議問題の答弁に「任命した99人も総理が調べていなきゃいけない」

[ 2020年11月8日 12:00 ]

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 福山大学経済学部客員教授の田中秀征氏が8日、TBS系「サンデーモーニング」(日曜前8・00)に出演。菅義偉首相が衆参予算委員会で、日本学術会議の任命拒否問題の質問が核心に迫ると「人事に関することなのでお答えは差し控える」と繰り返し、「なぜ6人が外されたか」の理由を示さなかったことについて言及した。

 首相は「9月22日か23日ぐらい」に杉田和博官房副長官から6人を外すと報告があり「私が判断した」と述べた。ただ、6人の名前を以前から知っていたかを問われると「加藤陽子先生以外の方は承知していなかった」と答弁。野党は「それでどうやって判断したのか」などと追及したが、首相は「人事に関すること」との答弁を繰り返した。

 田中氏は「6人の会員としての資格を調べたか、調べなかったかも問題になっているけど、問題は任命した99人も総理が調べていなきゃいけないんですよ。そうじゃなかったら6人が出てこない。任命した人もこういう理由でって、そこんところが議論の中で除かれている感じがする」と自らの見解を述べた。そして「この問題を今のような片付け方では致命傷ですね、政権にとって。どんどんだらだら出てきて、すべてがあきらかになりますよ。そうしたらもう笛吹けど踊らずという感じになって、とてもこの政権もたないですよ」とし、6人を任命した上で「学術会議の在り方についていろいろ議論があるならば、(任命した)後ですればいい話」と話した。

 答弁の中で、首相は6人を外した理由の1つは「会員の出身や大学に大きな偏りがある。例えば旧帝国大学の会員が45%を占めるが、私立大は24%。49歳以下は3%にすぎない」としたが、6人中3人は私立大の教授で、東大の教授の1人は50代前半と会員では若い。矛盾点を問われると「今回の任命の判断と直結はしない」と修正し、答弁は迷走した。

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2020年11月8日のニュース