展開読めてもOK 「倍返しだ!」半沢直樹は現代の「水戸黄門」

[ 2020年7月21日 05:30 ]

TBS日曜劇場「半沢直樹」で堺雅人演じる半沢直樹が「倍返しだ!」と言った場面(同局提供)
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 【記者の目】現代の時代劇だ。「水戸黄門」を見る人が、クライマックスで「この印籠が目に入らぬか!」と悪者を震え上がらせる場面を「待ってました」と言うように、「半沢直樹」では半沢が相手に「倍返しだ!」と宣戦布告する場面を視聴者が楽しみにしている。展開が分かっていても楽しめる。それが特徴だ。

 近年の高視聴率ドラマは展開の“読める”作品が多い。テレビ朝日「ドクターX~外科医・大門未知子~」はスーパー外科医が困難な手術を必ず成功させ、同局「相棒」では刑事がどんな事件も必ず解決する。この2作は1話完結型で、必ず勝って終わる。

 半沢も1話ごとに敵を倒す場面があり、勧善懲悪の爽快感を味わえる。一方で、最後に新たなピンチが訪れ、視聴者に「次はどうなるんだ」と思わせる。1話ごとにクライマックスを設けつつ、1クールを通した壮大な物語もある。この二面性があるからこそ、前シリーズで視聴率が初回以降、一度も下がらない右肩上がりを達成できたのだろう。

 初回の高視聴率により、前作を超えるヒットも予感させる。前作と異なるのは、どの出演者も作品の性質を理解して参加していること。新キャストの市川猿之助(44)が早速、第1話からフルスロットルの顔芸で魅せた。パワフルな演技合戦はすでに前作超えだ。見応え十分の3カ月が始まった。 (放送担当・伊藤 尚平)

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2020年7月21日のニュース