朝ドラで注目の堀田真由 フジ「いとしのニーナ」ヒロインを力演

[ 2020年7月21日 09:48 ]

ドラマ「いとしのニーナ」でヒロインのニーナを演じる堀田真由(C)いくえみ綾/幻冬舎コミックス フジテレビジョン
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 【牧 元一の孤人焦点】くるくると変わる表情が魅力的だ。女優の堀田真由がフジテレビの連続ドラマ「いとしのニーナ」(金曜深夜放送、FODで配信中)で、ヒロインを力演している。

 堀田が注目されたのは、今年4月にNHK連続テレビ小説「エール」で演じた踊り子役。主人公・裕一(窪田正孝)にダンスホールで一目ぼれされ、仲良くするものの、実は2人は幼なじみで、裕一をもてあそんだだけというオチをつけた。

 鮮烈な印象を残した「エール」への再登場を願う視聴者の声がNHKに寄せられる中、出演したのが「いとしのニーナ」。同名漫画が原作で、堀田は主人公の厚志(岡田健史)らに憧れられる女子高生の新名(ニーナ)に扮(ふん)している。ニーナは拉致現場から助けられたのをきっかけに厚志にボディーガードを依頼。強気な性格で厚志を振り回すが、心には深い傷を抱えている。

 プロデューサーの鹿内植氏は堀田の起用理由について「ニーナは表面的なところだけをとらえると自分勝手で気の強い女の子。しかし、本来は過去のトラウマもあって自信がなく、はかなく、1歩踏み出す勇気がない。その微妙な表現と心の変化を丁寧に演じてくれ、具現化してくれるのは堀田さんしかいない、堀田さんしかできない、と考えた。私的に、夢のキャスティングがかなった」と説明する。

 17日放送の第1話で、後ろ手に縛られ粘着テープで口をふさがれた姿で登場。テープをはがされると「ウチに帰して」と涙ぐんで懇願するが、厚志に助けてもらうと態度を一変させて「死ね!」「助けてやったと思ったら、ぶっ殺してやる」などと怒りをあらわにする。弱々しい表情から一気に険しい表情、険しい表情から一気に弱々しい表情に変化させる演技が巧みだ。

 鹿内氏は「台本と原作をしっかりと読み込んで、こちらの想像以上のニーナ像を見せてくれた。現場でも監督としっかりディスカッションできる自分の考えを持った頼りがいのある女優さん」と称賛。その演技力に関して「ニーナの強気の中にある不安をしっかり表現できるのは本当にすごい。いつも、もったいなくて、一瞬たりとも彼女の芝居から目を離すことができないと感じている」と話す。

 撮影期間中のバレンタインデーには「全スタッフとキャストに手作りスイーツを作り、直筆のメッセージまで添えてくださった。愛にあふれた人」とも。演技力だけではなく、周囲への気づかいも十分の様子で、今後さらに活躍の場を広げそうだ。

 ◆牧 元一(まき・もとかず)1963年、東京生まれ。編集局デジタル編集部専門委員。芸能取材歴約30年。現在は主にテレビやラジオを担当。

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2020年7月21日のニュース