NGT48 数百件の誹謗中傷資料を警察に提出、メンバー名誉棄損で男逮捕受け

[ 2020年7月21日 21:26 ]

会見したNGT48メンバーと岡田剛新社長(左)
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 NGT48のメンバー5人をツイッターで中傷したとして、警視庁は21日までに、東京都新宿区の職業不詳、角昭宏容疑者(50)を名誉棄損容疑で逮捕した。同日には、新潟市内でNGT48運営会社Floraの岡田剛社長(42)が会見を開き、数百件に及ぶ誹謗(ひぼう)中傷の資料を警視庁に届けていることも明らかになった。

 同容疑者は、昨年5月24日にメンバー5人について「覚醒剤使用のため、思考回路と人間の心が破壊されてます」などとウソの投稿し、名誉を棄損した疑い。同容疑者は、一昨年12月に元メンバーの山口真帆(24)が男性2人に暴行された事件に、5人が関与したと疑い「イメージダウンを狙った」と容疑を認めている。

 岡田社長は「絶対にあってはならないこと。我々はメンバーを守ることが第一。安心安全な環境作りのためにも、今後も弁護士や警察に相談していきます」と話した。別の関係者は、すでに200ページ以上で、数百件にも及ぶ誹謗中傷の資料を警視庁に提出済みと明かし、「今回のは始まりで、氷山の一角。警察の方で犯罪に当たる件から1つずつ取り締まっていただく流れです」と話した。また「対策チームは、ツイッターだけではなく、5ちゃんねるやYahoo!コメントなど全てを対象としています」と明かした。

 今回、新潟県警や新宿署、旧運営会社の本社があった神田署ではなく、警視庁本部が逮捕したのは、ネット上の誹謗中傷事件へ行政全体で本腰を入れ始めたあかし。5月23日に女子プロレスラー木村花さん(享年22)が、SNS上の誹謗中傷を受けた後に死去したことが、大きな転機となっている。岡田社長は「以前からもずっと警察に相談をしていましたが、最近は特に親身に対応してくださっています」と、風潮が変わってきた実感を口にした。

 木村さんの死去直後から、自身への中傷者たちへ訴訟をすると宣言していたメンタリストのDaiGo(33)も、18日の公式YouTubeで「昨日から裁判が始まって、早くも何人かサヨナラが確定しています」と明言。また、前日20日には女優春名風花(19)が、誹謗中傷者への訴訟で示談金315万4000円で和解したことを公表するなど、続々と判例が増えてきている。

 警察関係者は「社会全体で問題意識が高まっている」と話す。総務省の有識者会議でも具体策が議論され、来年の法改正を目指す動きも浮上。ネット上の名誉棄損に対する取り締まりが、急速に厳しくなってきている。

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