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将棋“AI記録係”が本格稼働 人員不足解消、3密回避へ 対局者からは戸惑いも

[ 2020年5月16日 18:34 ]

記録係なしで対局する清水市代女流七段(右)と鈴木環那女流二段。天井カメラを通じて棋譜が自動作成される(撮影・我満 晴朗)
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 東京都渋谷区の将棋会館で16日に行われた将棋のリコー杯女流王座戦一次予選で、AIによる棋譜自動記録システムが初めて本格稼働した。記録係不足を補う目的だが、AIに頼ることで対局場の「3密」回避効用もありそうだ。

 将棋の公式戦では対局者とは別に記録係が同席し、棋譜の記入や持ち時間の経過などを棋士に伝える重責を負う。一般的にはプロ(四段)を目指す奨励会員または若手棋士が務めるが、棋戦の増加などに伴い記録係の負担が激増する現状に、日本将棋連盟は数年前からAIによる棋譜の無人作製システムをリコーに依頼。昨年7月の女流王座戦本戦で実証実験を実施し、今回からの本格運用に踏み切った。

 リコーは将棋連盟が対局用に保有する駒をAIに画像認識させ、違反手や千日手などのルールをインプット。対局場に設置済みの天井カメラを通じて盤上の進行を解析し、自動的に棋譜として残す方式を完成させた。

 16日に行われた対局では有線のボタン2個をタブレットにつなぎ、着手後に対局者がボタンを押すことで持ち時間の消費を計測する新システムを追加。盤面の読み取りによる棋譜の自動記録はほぼスムーズに行われたが、秒読みになると時間計測運用が不安定になるトラブルが頻出し、従来のチェスクロックを代替使用して日程を終えた。

 対局を終えた本田小百合女流三段は「ボタンの位置がいつものチェスクロックと違い、手が泳ぐ感じ。慣れが必要ですね」と苦笑い。甲斐智美女流五段は「対局者にとっては(不測時の対応などで)記録係がいるほうがいいんですけど」とやや戸惑いのコメントだったが、記録係不足への対応策としては前向きな反応が多く「秒読み時の精度が高まれば大丈夫」という声もあった。

 初期トラブルの発生はあったものの、記録係不在で密状態が軽減されるため、システム開発時には全く想定していなかった新型コロナ対策としてメリットも生じている。将棋連盟では他棋戦での採用も視野に入れている。

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2020年5月16日のニュース