内田也哉子 母・希林さん助演女優賞に「どこかで憎まれ口を叩いていると…」

[ 2018年12月18日 16:00 ]

<「第43回報知映画賞」授賞式>助演女優賞に輝いた母・樹木希林さんの代理で登壇した内田也哉子(右)とプレゼンターの黒木華
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 「第43回報知映画賞」の授賞式が18日、都内のホテルで行われ、9月15日に75歳で亡くなった樹木希林さんが「モリのいる場所」「万引き家族」「日日是好日」で助演女優賞を受賞。樹木さんの長女、エッセイストで女優の内田也哉子(42)が代理で登壇した。

 内田は「本日は皆様の思いが詰まった賞をいただき、ありがとうございます。母が最後に出会うことができた3作品の関係者、お一人お一人に遺族として感謝申し上げます」と代理で感謝。「ちょうど母がいなくなり、3カ月が経ちました。もう少し母の声が聞こえたり、夢に会えたりするものかを思っておりましたが、見事にこれぽっちも母は出てきません。本当に人が死ぬって、こんなに綺麗さっぱり、なかったりするんだなとあっけに取られている今日このごろです。私は初めて親が役者で良かったなと思いました。映画のスクリーンやDVD、ネット配信の映像の中に母がいつでもいるのですから。家庭の中では、当たり前の日常を生きて彼女が役者であると実感できたのは唯一、完成した映画を見ることでした。3作品の撮影においても、いつも通りに、一人で運転して、現場へ行き、寒くても熱くても深夜まで撮影している様子は、まるで全身にがんが転移しているとは思えない佇まいでした」と振り返り、「そういえば、母は人に褒められるのが苦手で、今日の受賞についても、どこかで“死人に賞をあげるなんてもの好きね、賞金はいくら?”なんて憎まれ口を叩いていると思います。映画の関係者におかれましては、天の邪鬼の母に辛抱強く、お付き合いいただき、心から御礼申し上げます」とあいさつした。

 授賞式には、「日日是好日」で主演した女優の黒木華(28)がプレゼンターとして出席。黒木は「存在のあり方、役者さんとしてもそうですし、一人の人間として、そこに存在している希林さんと蜜にお芝居ができて、すごく刺激を受けましたし、私もこういう女優さん、こういう人になりたいと心から思いました。本当におめでとうございます、ありがとうございました」と希林さんへの思いを語った。

 「日日是好日」は大森立嗣監督(48)が監督賞を受賞。大森さ監督は「この賞も、映画も少しヒットしたんですが、希林さがおいていってくれたのかなと」と希林さんに感謝。「現場ではあまり会話もなく、撮影はスムーズだった。この組をすごく愛してくれたと感じていました。ものすごく包まれているような撮影だった」と撮影を振り返り、「希林さんのことをいつも心に置きながら、これからも映画を撮っていきたい」とスピーチした。

 主演男優賞は「孤狼の血」の役所広司(62)、主演女優賞は「人魚の眠る家」「SUNNY 強い気持ち・強い愛」の篠原涼子(45)、助演男優賞には「検察側の罪人」の「嵐」二宮和也(35)がそれぞれ受賞。邦画作品賞には、白石和彌監督(43)の「孤狼の血」が輝き、監督賞は「日日是好日」を手がけた大森立嗣監督(48)が選ばれた。

 また、新人賞は「志乃ちゃんは自分の名前が言えない」の南沙良(16)と蒔田彩珠(16)。海外作品賞は「ワンダー 君は太陽」、アニメ作品賞は「名探偵コナン ゼロの執行人(しっこうにん)」、特別賞に上田慎一郎監督(34)の「カメラを止めるな!」が選出された。

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