【中畑清氏 視点】武器を使い切れないで負ける巨人… こんな悔しいことはないよ

[ 2024年5月28日 22:24 ]

交流戦   巨人0―2ソフトバンク ( 2024年5月28日    東京D )

<巨・ソ>7回、マウンドで指示を出す阿部監督(撮影・藤山 由理)
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 巨人は交流戦開幕戦で、球団創設90周年記念特別試合「王貞治DAY」として行われた28日のソフトバンク戦(東京D)にわずか3安打で敗れて連勝ならず。貯金が1に減った。交流戦は昨年に続いて2年連続で黒星発進となっている。スポニチ本紙評論家の中畑清氏(70)が初戦を分析した。

 武器を使い切れないで負ける。こんな悔しいことはないよ。交流戦の開幕戦でソフトバンクに完封負けした巨人。わずか3安打でも逆転できるチャンスはあった。0―1で迎えた6回だ。代打の立岡が四球で出塁して二盗。丸が二塁内野安打で続いて無死一、三塁とした。

 最低でも同点にしなきゃいけない場面。ベンチはオコエに対して3球続けてセーフティースクイズを命じた。初球はボール。2球目はファウル。3球目は高いバウンドとなり、捕手の甲斐が捕りにいった。立岡の足なら十分還れたはずだ。転がった瞬間、ギャンブルスタートに近いくらいの勢いで走ってほしかった。でも、立岡はちゅうちょ。結果的に一塁走者を二塁に送るバントになって1死二、三塁。チャンスは続いた。続く吉川の打球は二ゴロ。今度は完全にギャンブルスタートを切るべきだったのに、本塁の前で止まってしまった。2度にわたる中途半端な走塁。自分で勝手に勢いを止めてしまった。

 相手投手にいい投球をされたら、そう簡単に点は取れない。苦しい展開の中でいかに1点をもぎ取るか。必要になってくるのは機動力だ。その足を生かす最高のシチュエーションをつくりながら、消極的な走塁でものにできなかった。阿部監督は「選手の判断」で済ませないでほしいな。厳しく指摘すべきだと思う。

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