3回4失点の3Aウースター上沢直之 フォーム変更明かす「上から縦に投げる感じ」

[ 2024年5月23日 13:08 ]

上沢直之(AP)
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 レッドソックス傘下の3Aウースターに所属する上沢直之投手(30)が22日(日本時間23日)、本拠地のマサチューセッツ州ウースターで行われたオリオールズ傘下ノーフォークとの3A戦に先発。3回を投げて4安打4失点(自責点4)3四球3三振と苦しみ、4回から救援投手にマウンドを譲った。

 ホリデー、カースタッドといった多くの若手有望株を擁するノーフォークに対し、この日の上沢は71球中、ストライクは34球のみと制球が定まらなかった。初回、無死2、3塁から3番カースタッドに左中間適時二塁打を浴びて2失点。3回にはまた無死2、3塁のピンチを招き、2死は奪ったものの、5番メイトンに左前適時打を打たれてまた2失点となった。上沢は4月28日にメジャー初昇格。レッドソックスでは2試合、計4回を投げ、防御率は2.25だったが、8日(同9日)に故障から復帰した先発・ピベッタと代わりマイナーに降格した。この日の登板が降格後3度目だったが、厳しいピッチングで3Aでの防御率は5.67となっている。

 試合後の上沢との一問一答は以下の通り。

 ――持ち味の制球が乱れた。

 「2日前くらいからフォームの意識を変えて練習して、出力が出るようになった感じはします。スピードはいつもより1マイルくらい速かったです。ただ、前のフォームとのギャップでコントロールがうまくいかなかったですね。出力は今のフォームの方が確実に出るので、こっちに合わせた方がいいとは思うので、次の登板までの時間でしっかりやっていこうと思っています」

 ――ならば原因ははっきりしている。

 「そうですね、割とはっきりしているかなという感じはします。今日の試合も前のフォームで投げることはできたんですけど、それだと結局またそれで繰り返してしまって、よくなるイメージが出にくくなるかなと思ったんです。今日はもうそのフォームを継続してやろうと思ってやっていました」

 ――それは自分の意思だったのか。

 「自分の意思ですね。どうしても最近、身体が投げ終わりに右側に流れちゃって、スピードがあまり出ないなという気がしていました。(腕を)振っても91マイルとかだったのが、今日の感じだったらそんなに振ってなくても91、92マイルが出ていました。きっとあのフォームを続けてやればいいと思っています」

 ――フォームを具体的にどう変えたのか。

 「今までの僕は足を真っ直ぐ踏み出したつもりでも、インステップ気味になっていて、それがずっと気になっていました。それを治したいなと思い、少しかかとよりに重心をかけ、アウトステップ気味で投球することによって、上から縦に投げる感じにしたんです。そう投げたら、前よりも真っ直ぐで空振りを取れるなという感じがありました。4シームでフライになるボールが多かったので、やはりこっちの方がいいのかなとは思います。その分、他の変化球は今までリリースしたところと違う感じになるので、引っ張りすぎちゃったり、ちょっとうまくいかなかったわけですが」

 ――日本でも少しインステップ気味だったのか。

 「悪いときはそうなってましたね。いい時は割と真っ直ぐに踏み出して、真っ直ぐに体重をかけられていたんですけど、最近はずっと(インステップ気味に)いくなという感じがしていました。結果としてはこの間の試合も5回2失点と悪くはなかったんですけど、自分の中では状態を上げていかないとダメかなという感じがあったんです」

 ――試行錯誤を続けている。

 「でも今日はこっちにきてから一番良くなかったなという感じですね。バッターと勝負するというか、ストライクを入れるので精一杯だったんで、それではこういう結果になるよなという感じです」

 ――メジャー昇格のためには結果が求められるが、一方で向上したい。その難しさは。

 「それはありますね。ここで結果が出ないと絶対にメジャーは上がれないので、結果を求めたいなというのはすごくあります。でも、一番いい状態で勝負できるようになるっていうのは絶対いいこと。そこのはざまで揺れているっていう感じはあります。今日はそっち(新しいフォーム)にちょっと振り切ってやろうと思いました。今日の結果がいい方向に進んでくれないと、ただの失敗で終わってしまう。いい方向に転がってくれるように自分を信じてやるしかないかなという感じはします」
(マサチューセッツ州ウースター・杉浦大介通信員)

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