栗山英樹氏 ダルは「日本野球の進化促すペースメーカー」常に半歩前を行き引っ張ってくれる存在

[ 2024年5月21日 01:30 ]

ナ・リーグ   パドレス9-1ブレーブス ( 2024年5月19日    アトランタ )

23年の侍ジャパン強化合宿で放す栗山氏(左)とダルビッシュ
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 前侍ジャパン監督で日本ハムの栗山英樹チーフ・ベースボール・オフィサー(63)が、日米通算200勝を達成したパドレス・ダルビッシュに祝福と称賛のメッセージを送った。昨年3月のWBCではチームの精神的な支柱として世界一に貢献。常に進化を続け、日本野球をリードする姿に感謝の思いを語った。

 素晴らしいことだし、おめでとうと言いたい。でも「まだ200勝しかしていなかったのか」というのが率直な感想だ。それくらい勝ち続けてきたイメージしかない。投げるたびに勝ち星一つ以上のものを残してきてくれたと思っている。

 日本野球の進化の歩みは、ダルビッシュとともにあったと思う。トレーニングの仕方や配球の考え方などさまざまな進化を遂げていく上で、常に多くの選手たちの先を見据えて努力している。例えば、走り込みの持つ意味をどうやって別のトレーニングに変えていくか、とか。中身をしっかりと吟味して、学んで、効率よく自分に取り入れ表現してきた。

 今年もスライダーの投げ方や投球フォームを変えてみたり、まだ進化していく。ダルビッシュのパフォーマンスの進化は半歩だけ前に行きながら、いろんなものをみんなに見せてくれてきた。日本野球の進化を促すペースメーカーのような存在で、引っ張ってくれている。その生きざまには感謝しかない。

 昨年のWBC。日本の選手たちが誰と一番話したいのかと考えた時、間違いなくダルビッシュだと思った。そんな彼は「僕が長く野球をやるために、若い選手たちの新しい感性を学びたい」と言ってきた。それが全てだろう。これだけ実績を残しても、安心することも、立ち止まることもない。人が歩まないといけない道を見せてくれていると感じた。

 私が取材者だった06年。プロ2年目のレギュラーシーズン最終戦のソフトバンク戦だった。先発登板から中3日で6回からリリーフ登板。急にボールが速くなり当時の自己最速150キロを連発した。その腕の振りを見て「こういう感じで進化するんだ」と驚いたのを今も覚えている。それが覚醒のターニングポイント。急速に成長を遂げていってからは、あれほど計算できる投手はいないと思った。

 あの覚醒の試合から18年。私はむしろ、これからのダルビッシュが一番面白いのかなと思っている。年齢を重ね、経験を重ね、いろんなものが積み重なる中で、何をしていくのか。今後、残していくものが日本野球にとって物凄く参考になるのは確か。ダルビッシュの一挙手一投足を我々は見続ける必要があると思う。(前侍ジャパン監督)

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