【スポニチスカウト部(15)】菅・岩瀬将 「ガチ勢」相手に目覚めた最速143キロの原石右腕

[ 2024年5月21日 06:00 ]

急成長を遂げ注目度も上がった菅・岩瀬将
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 今秋のドラフト候補となる選手にスポットを当てる「スポニチスカウト部」。アマチュア担当記者の独自目線による能力分析とともに、選手たちの素顔を紹介する。第15回は菅(神奈川)の最速143キロ右腕・岩瀬将投手(3年)。神奈川の公立校で人知れず眠っていたダイヤの原石が、急成長でドラフト候補に成り上がった。

 プロ野球は無縁の世界だった。中学時代の岩瀬は名もなき投手で、2学年上の兄・快さんと同じ菅に進学。公立校で部員が少なく、1年春からベンチ入りできるような環境。それでも入部早々つまずいた。中学よりも練習強度が高く「思った以上にキツい」と音を上げ、母に「やめていい?」と聞いた。

 野球はやめなかったが、相変わらず練習についていけない。先輩たちが妙に大人に見え、試合にも出場できない日々。どこにでもいるような「補欠組」の気分を味わった。そのまま1年がたち「ひねくれて真面目に練習しなくなった」と情熱は尽きかけていた。

 出会いが岩瀬の「本気」を引き出した。昨春に平林明徳氏(現監督)が菅に赴任。1人で自主練習をしていた時に「岩瀬はプロ野球に行けるぞ」と声をかけられた。「何を言っているんだろう…」と不思議に思う感情、「うれしい」と感じる未体験の感情が複雑に交差し、そこから少しずつ練習に取り組む姿勢が変わった。昨秋には県外の強豪と練習試合をする機会に恵まれた。平林監督からは「人生を変えるターニングポイント」と背中を押され「エンジョイ勢がガチ勢にどこまで通用するか」と発奮。試合には敗れるも完投で14三振も奪い「野球の楽しさに気づいた」とハートに火が付いた。

 意識が変わった。昨冬には体重69キロが、学校に間食用のおにぎりを10個も持参し、2月には人生で最重量の83キロに。磨けば光る投手としてのセンスに屈強な体が加わり、今春には143キロを計測。こうなればプロ野球のスカウトが放っておかない。5月上旬時点で11球団のスカウトが視察に訪れている。

 「将来何を仕事にするか不安だった」という岩瀬。いまは進路希望を「プロ野球」とする。「最初から強豪に行っても試合に出られなかったと思う。ちょっと遅れたかもしれないけど、菅は自分に合っていた」と道のりに後悔なし。この夏、神奈川の高校野球ファンを沸かせることができれば、夢は現実になる。(柳内 遼平)

 《5球種操るまでに成長》岩瀬はシュート気味に動く直球と、スライダーのコンビネーションが武器。「高校2年まではひたすらストレートを投げていた」と明かすが、現在はカーブ、チェンジアップなど5球種を巧みに操る。急成長の鍵となった平林監督は「私が育てたとは全く思っていない。自分の役割は出会って、気づくこと。このままケガなく次のステージに送り出したい」と語った。

 ☆球歴 米カルフォルニア州在住だった5歳時に野球を始める。幼稚園年長から川崎市に在住し、金程小では金程少年野球部に所属。金程中では軟式野球部でプレー。菅では1年春からベンチ入り。憧れの選手はドジャース・大谷。好きな言葉は「勝っても攻めろ」。

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