星稜・芦硲主将 日本航空石川の宝田主将との思い「絶対に優勝」 被災県の誓いを果たす時

[ 2024年3月30日 05:00 ]

水たまりがある内野を避け、外野でランニングする山下監督(青い帽子)はじめ星稜ナイン(撮影・千田 篤史)
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 第96回選抜高校野球大会は29日に初の休養日を迎え、4校がそれぞれ練習し、30日の準決勝に備えた。県勢初優勝を狙う星稜(石川)は1月の能登半島地震から復興途上の地元の期待を背負い、芦硲(あしさこ)晃太主将(3年)が高崎健康福祉大高崎(群馬)との激突へ意気込んだ。

 星稜は西宮市内のグラウンドで軽く体を動かした。早朝の雨で内野に大きな水たまりがあることを確認した山下智将監督は「グラウンド状態がかなり厳しいと連絡が入っていた。今日はもう疲労除去です」と説明。外野をランニングした後はストレッチと素振りなど調整に主眼を置いたメニューを消化して引き揚げた。

 石川県勢としては初の4強進出。山下監督は高崎健康福祉大高崎を「投手、打者、走塁、全てにおいて全国のトップクラスのチーム」と警戒しても、昨秋の神宮王者として恐れはない。芦硲主将は「全国制覇を目標に新チームはずっとやってきている。今まで勝ち上がってきた自信が大きくなっていて不安要素は全然ない」と力強かった。

 主将同士の誓いもある。同じ石川県から出場して1回戦で敗れた日本航空石川の宝田一慧(ほうだ・いっけい)主将(3年)からLINEでメッセージが届いた。「絶対に優勝してくれ」という文面に「任せとけ」と返信。大会前に両主将の間で交わした「石川勢で決勝戦」の約束は今回果たせず、託された思いに奮い立った。被災県からの出場。主将として「地震が起きて野球ができることが当たり前じゃないと感じた。できる環境を与えてもらった甲子園で全力で野球をやろう」と改めて強調した。感謝の気持ちも胸に県勢初優勝を見据えた。  (千田 篤史)

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