広島・小園が3安打猛打賞「すんなり試合に入れた」 真の中心選手へ開幕3番起用に応えた

[ 2024年3月30日 05:45 ]

セ・リーグ   広島3-4DeNA ( 2024年3月29日    神宮 )

<D・広>3回、小園は中前打を放つ(撮影・平嶋 理子)
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 プロ野球は29日にセ・パ両リーグが6球場で開幕し、広島は敵地・横浜でDeNAに3―4の逆転で敗れて2年連続の黒星発進になった。難敵・東に2桁10安打を浴びせるなど光明はあり、中でも2年ぶり2度目の開幕3番だった小園海斗内野手(23)が幸先よく3安打猛打賞。3本目の安打が7月だった昨季の出遅れから一転、同じ轍(てつ)は踏まないとばかりに好スタートを切った。

(初球とらえた/) スロースターター返上だ。初回1死二塁。小園は今季最初のスイングで東の初球のチェンジアップを右前へ打ち返した。持ち前の積極的な打撃で初打席初安打。勢いは一気に加速した。

 「どんどんストライクを投げてくる投手だったので、仕掛けられるなら早くいこうかなと思っていた。それがいい方向にいったので良かった」

 3回1死一、二塁ではカウント2―1から直球を中前打。追い込まれる前に勝負を決めた。5回先頭でも初球を遊撃内野安打とし、開幕戦から3安打と気をはいた。

 「去年までは(開幕戦を)意識しすぎていたが、今日は集中して試合に臨めた。緊張感もなく、すんなり試合に入れたので良かった」

 昨季は「1番・遊撃」で開幕して16打席無安打。初安打が出るまで開幕から17日を要した。不振による2軍調整を挟み、2安打目が出たのは開幕から98日目。3安打目は104日目の7月12日だった。初夏まで時間がかかった昨季から一転、初日から3安打の固め打ちが光る。

 ドラフト1位入団から6年目。1年目から1軍のグラウンドに立ち、数え切れないほど苦い経験を積み重ねてきた。昨季までを「冷静になれていない部分もあった」と省み、「落ち着いてプレーして柔軟性を出したい」と成長を期す1年。オープン戦でも窮地での投手への積極的な声かけなど視野を広げ、チームのことをより考えた行動を心がけてきた。3月には侍ジャパンにも選出。中心選手としての役割と期待を自覚するからこそ一喜一憂せず前を向いた。

 「これがすべてではない。これからやっていかないといけないので、一日一日、切り替えてやっていくだけ」

 2年ぶり2度目の開幕3番で初の3安打発進。開幕前に「今年はもう一つ上の小園が見られる」と予感していた新井監督は「ナイスバッティングだった。彼は中軸として1年間期待している。やってもらわないといけない選手」と大飛躍へ背中を押した。 (長谷川 凡記)

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