星稜 主将・芦硲晃太敗戦に涙 震災後の応援に「感謝しかない」恩返しは「勝ちをプレゼント」

[ 2024年3月30日 15:13 ]

第96回選抜高校野球大会第10日第1試合   星稜4―5高崎健康福祉大高崎 ( 2024年3月30日    甲子園 )

<星稜・高崎健康福祉大高崎>試合に敗れ、足早に引き揚げる星稜ナイン(撮影・椎名 航)
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 星稜(石川)は健大高崎(群馬)に4-5で破れ、選抜初の決勝進出はならなかった。

 今大会、これまで3試合とも先制している星稜は2回、2死三塁の場面で、8番中島幹大(3年)の内野安打で先制。

 3回、今大会最速150キロをマークした相手・健大高崎の先発・石垣元気(2年)の速いボールにも振り遅れない打撃で9安打と、両校譲らない接戦を展開した。

 8回から登板した健大高崎エース・佐藤(2年)に対し、無安打と反撃及ばず。主将の芦硲晃太(3年)は初の公式戦黒星を「とても悔しい」と悔やみ、捕球や送球の失策に「自分たちの弱さが出た」と反省。「甲子園という素晴らしい舞台で、健大高崎さんと素晴らしい試合をさせていただいたことに、とても感謝しています」と語った。

 準々決勝の試合後、「自分の結果を気にせず、チームのために、おまえが暗くなったらアカン。日本一のキャプテンになれよ」という父からの言葉が「自分の心に響いた」と明かした芦硲。本当は勝って恩返ししたかったけど、できなくて申し訳ないです」と涙を流した。

 元日に発生した能登半島地震を経験。石川県、県外からのたくさんの応援に「感謝しかない」とし、「応援してくださっている方々にも悔しい思いをさせてしまったので、絶対に勝ちをプレゼントして、優勝したい」と次は勝利で恩返しをすると約束。「石川の方に、というよりも、自分たちの全力プレーをして、少しでも苦しんでいる方々に見てもらって、笑顔になってほしい」という強い気持ちが星稜ナインの原動力となっていた。

 同じ石川代表として出場した日本航空石川の主将・宝田一慧(3年)から、「優勝してくれ」とエールをもらったが、「託された思いを果たせなくてゴメン」と悔しい表情。夏の甲子園出場をかけライバルとなる相手に「まず航空に絶対に勝てるように」と気を引き締めた。

 震災からここまで、一人一人の思いが一つになったことで「最初はここまで勝てるとは全然、思っていなかった。やっぱり、いい仲間に恵まれました」と感謝を口にした。

 「これからもう一度、チームにならないと勝てない」と決意を語り、「気を引き締めてやっていきたい。夏、絶対に甲子園に帰ってきて、甲子園で日本一になる」とすでに主将は夏を見据えていた。

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