センバツV腕 阪神・村上が開幕日に誓い ソフト打線斬って“直球総仕上げ”「自分にも自信に」

[ 2024年3月19日 05:15 ]

阪神・村上(撮影・岸 良祐)
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 阪神・村上頌樹投手(25)が18日、甲子園の室内練習場で調整し、先発予定のきょう19日のソフトバンク戦(ペイペイドーム)での真っ向勝負を誓った。シーズンに向けた最後の実戦登板で、柳田や西武からFA移籍した山川らを擁し、現在オープン戦首位で12球団トップの11本塁打を誇る重量打線を封じる。16年の第88回選抜高校野球大会で開幕戦のマウンドに立ち優勝投手となった右腕が、第96回大会の開幕日に決意を新たにした。 

 午前11時から甲子園の室内練習場で始まった先発投手陣の練習。通路1本挟んだ球場からは、選抜開幕戦、関東第一(東京)―八戸学院光星(青森)戦のブラスバンドの演奏や歓声が聞こえてきた。村上は、8年前を思い出しながらキャッチボールや短距離ダッシュなどで約1時間体を動かし、気持ちを高めた。

 「開幕戦、投げたなって。今日開会式だったので、自分もこの後、試合していたなと」

 智弁学園(奈良)時代の3年春、福井工大福井(福井)との開幕戦で完封勝利を挙げるなど全5試合を完投。決勝では延長11回にサヨナラ打を放って同校初の優勝へ導いた。同じ甲子園を本拠地として、昨季セ・リーグMVPと新人王をダブル受賞して大ブレークした右腕が、開幕前の総仕上げに入る。

 「いつも通りバランス良く自分の球が投げられているかどうかというのを確認して、真っすぐが良くなっているかどうか、しっかりやりたい」

 生命線である直球の切れを最終確認する上で、これ以上ない相手だ。ホームの福岡で待ち構えているのはオープン戦12試合で8勝し勝率・727で首位を快走している鷹軍団。本塁打は前巨人のウォーカー(3本)を筆頭に12球団トップの11本をマークしている。わずか1勝で最下位、本塁打数も初戦の2本のみで12球団ワーストと、数字上は対照的だ。

 中でも要注意なのが、柳田とFA加入した山川だ。2人合わせて通算478本塁打の左右の大砲。同じペイペイドームが舞台となる6月14日からの交流戦3連戦で対戦する可能性もあり、ここで抑えることができれば、自身にもチームにも大きな弾みがつく。「打ち取れれば今年もいけるんじゃないという雰囲気にもなると思う。ここでしっかり投げておけば相手にも印象づくかなというのもありますし、抑えれば自分にも自信になる」と言葉に力を込めた。

 今春のオープン戦でチーム唯一の勝利は、村上が2番手で登板した13日のロッテ戦。4回1失点で自身に白星がついた。「逃げないように、攻めたピッチングができたらなと思います」。29日の開幕・巨人戦(東京ドーム)を控え、甲子園で球春到来の空気を肌で感じた右腕が、8年前さながらに躍動する。(杉原 瑠夏)

 ▽阪神・村上の16年選抜大会 智弁学園3年の村上はエースとして開会式直後の1回戦の福井工大福井戦4―0完封を皮切りに、5試合全て完投。決勝の高松商戦では、1―1の延長11回2死一塁、中越えにサヨナラ二塁打を放ち、チームを春夏通じて初優勝へと導いた。

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