センバツ開会式で13年ぶりに黙とう　能登半島地震の犠牲者を悼み

第96回選抜高校野球大会第1日　開会式 （ 2024年3月18日    甲子園 ）

開会式で能登半島地震の犠牲者を悼み黙とうがささげられた（撮影・北條　貴史）
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　曇天の開会式で、出場32校の選手たちは肌寒さを吹き飛ばすかのように、元気よく行進した。元日に発生した能登半島地震で学校が甚大な被害を受けた日本航空石川の校名が司会者から呼ばれると、スタンドからひときわ大きな拍手。宝田一慧主将（3年）も、万感の思いで受け止めた。「大きな拍手が聞こえたので、うれしい気持ちと鳥肌が立つような気持ちで歩いていました」

　式では東日本大震災が発生した2011年以来となる黙とうが、ささげられた。青森山田・橋場公祐主将（3年）の選手宣誓では、1924年の第1回大会から100年を迎えた歴史とともに、元日の震災にも触れ、被災地への思いが込められた。松木健・大会会長からは「全ての選手のプレーが能登の方々に希望の灯を届けてくれることを願っています」とエールを送られた。

　「仲間と野球をするということが、当たり前じゃないということを思い知らされた」と宝田。選手全員の帽子のつばに記された「笑顔　感謝　恩返し」の気持ちを、大会第6日の常総学院戦で示す。（石丸　泰士）