エンゼルス・大谷 6回1失点で今季初勝利 6四死球&史上初の投打でピッチクロック違反も粘った

[ 2023年4月7日 02:30 ]

ア・リーグ   エンゼルス4-3マリナーズ ( 2023年4月5日    シアトル )

<マリナーズ・エンゼルス>初勝利を挙げた大谷(撮影・会津 智海)
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 エンゼルスの大谷翔平投手(28)が5日(日本時間6日)、マリナーズ戦に「3番・投手兼DH」で先発し、111球を投げ6回3安打1失点で今季初白星を挙げた。6四死球と制球に苦しみ、今季から導入された投球間の時間制限「ピッチクロック」に投打両方で初めて違反。逆境に見舞われながらも、投打で立て直し、チームを開幕2カード連続で勝ち越しに導いた。

 大谷は序盤から我慢の投球を強いられた。初回先頭から2者連続四球を与え、スアレスに先制の右前適時打を許した。1死二塁で迎えた続く4番ローリーの打席。打者が構えていない状況で投球動作を始めたとして「ピッチクロック」の初違反で、初球を投げる前に1ボール宣告された。

 走者ありでは20秒以内に投げなければならない。だが、この場面では残り時間は13秒もあった。「遅い」からではなく、打者が構える前の「早すぎる」投球動作と捉えられ、ペナルティーを受けた。

 その後2者連続三振で切り抜けたが、「真っすぐのコマンド(制球)が良くなかった」。3回までに69球を擁し、6四死球と苦しんだ。「初戦(6回無失点だった開幕戦)の方が良かったけど、悪いなりに試合をつくって、6回まで投げたところはそれなりに良かった」。中盤からは今季あまり投げていなかったカットボールで活路を見いだし、4~6回は3イニング連続で打者3人ずつで料理。5回終了時、フィル・ネビン監督から「いけるか?」と言われ「行けます!」と志願。メジャー自己3番目に多い111球で投げ抜いた。

 打者では、6回に前を打つトラウトが四球を選ぶと、続く大谷は打席で残り8秒までに準備を整えなかったとして、1ストライクが取られた。「走者を待っていて僕が少し遅れた。自分が四球の時には、早く塁に行かないと次の打者に迷惑が掛かる」。同じ試合で投打で「ピッチクロック」に違反した初めての選手として、またも名を刻んだ。ただでは転ばず、2―1の7回にトラウトとの連続適時打となる左前打を放ち勝利をたぐり寄せた。

 「良い状態で試合が終わり、また次の試合に臨めそう。それを繰り返していく」。チームは開幕から2カード連続勝ち越しで首位を堅持。投球が本調子ではない中で修正してみせ、新たなルールへの適応も進み、価値ある今季1勝目だった。(シアトル・柳原 直之)

 ≪相手に気遣い…審判のポケットからボールゲット≫初回終了後、ネビン監督、水原一平通訳とともに球審に質問をしていた大谷は、グラウンド方向からかけられた声に反応。球審が腰につけているボール入りポケットに手を突っ込むと、ボールをグラウンドに投げた。球審が3人への説明に対応していたためマリナーズ側の投球練習用のボールがなかったようで、大谷が機転を利かせた。

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2023年4月7日のニュース