侍・朗希165キロ!大谷に並んだ日本人最速 「3・11」にチェコ戦先発へ上々3回零封

[ 2023年3月5日 05:10 ]

侍ジャパン壮行試合   日本代表4-1中日 ( 2023年3月4日    バンテリンD )

<侍・中>初回、日本人最速タイの165キロを記録した佐々木朗(撮影・椎名 航)
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 大谷先輩に負けじと剛球ショータイムだ。侍ジャパンは4日、ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)に向けた中日との壮行試合を行い、先発の佐々木朗希投手(21)が3回1安打無失点、3奪三振。自己最速を1キロ更新し、大谷翔平(28)に並んで日本選手最速となる165キロをマークした。試合は4―1で勝利。11日のチェコ戦に先発が濃厚な「令和の怪物」が、上々の投球で最終調整を終えた。

 ベンチの大谷は驚いて口を開け、あきれたように笑った。初回2死一、三塁。佐々木朗がバズーカのように160キロ台の直球をミットにぶち込んでいく。そして出た。二刀流腕に並ぶ日本選手最速165キロだ。真ん中でも甲斐がキャッチできない超剛速球。最後は、これまでの自己最速164キロでアキーノを空振り三振に斬った。

 「(球速は)意識していないがボール自体は良かった。64だったり65(だったり)、そこらへんはあまり変わらないと思う」

 口ぶりは淡々としているが、3万5897人の観衆をどよめかせた球が、どれほど凄いことか。本来ならオープン戦が始まったばかりで、肌寒さも残る時期だ。プレーボール後に体勢を崩した1球を除けば初回の直球全てが160キロ台だった。

 この日の投球で仰天のプランが浮上した。栗山監督が「朗希から(含めて)全員最後もある」と、佐々木朗も米国ラウンドでの抑え起用の可能性も示した。WBCデビューは1次ラウンド第3戦となる11日のチェコ戦(東京ドーム)が濃厚。その後、世界一連覇した09年第2回大会のダルビッシュのように、胴上げ投手となる夢を描かせる球の強さだった。

 前日は岩手の先輩でもある大谷と初対面。敬語で「何歳ですか?」と話しかけられ、年下だと分かると肩を抱かれた。剛速球が、その大谷の領域に届いた。球数がかさんで初回に25球。3回までに計53球を要した。球数制限のあるWBCの1次ラウンドは65球で「ボール自体はそんな悪くなかったが、小さなフォームの誤差がボールのばらつきを生んだ」と反省。球の強さは証明し、後は微調整を進めて仕上げる。

 昨年11月の強化試合は大会使用球の大きさが一球一球、均一ではないと感じて適応に悩んだが、2月の宮崎合宿で投球練習の途中でボールを何度も取り換えるなど対策して克服した。セ・リーグで普段は投球を見ない相手先発の大野雄も「異次元すぎて、何も感じなかった」と言ったほど。栗山監督には「大会が進めばもっと球速が上がりそう」と期待を抱かせた。

 当の本人は「ストライクゾーンに強いボールをしっかり投げていきたい。勝つことが大事」ときっぱり。そんなSASAKIに世界は驚くだろう。(神田 佑)

 ≪日本球界最速は166キロ≫佐々木朗(ロ)が初回に自己最高球速を1キロ更新する165キロを計測。日本球界では21年ビエイラ(巨)の166キロに次ぐ歴代2位タイのスピード。大谷(日=現エンゼルス)が16年10月16日ソフトバンク戦(CSファイナルS第5戦)でマークした球速に7年ぶりに並ぶ日本人最速記録になった。

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