大谷のフリー打撃にファンが侍ナインが大興奮 バンテリンDにどよめき5階席へ160メートル弾

[ 2023年3月5日 05:06 ]

フリー打撃で本塁打を放つ大谷(撮影・平嶋 理子)
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 開いた口がふさがらない。これこそが本場米国の「SHO TIME」――。大谷のフリー打撃の13スイング目だった。まるで無重力のように高々と舞い上がった飛球が、バンテリンドームの右翼5階席に到達する。推定飛距離160メートル。現実とは思えない驚弾に球場が揺れた。どよめき、歓声、割れんばかりの拍手。世界の二刀流は続く14スイング目も再び5階席に叩き込む。交互に打っていたヌートバーと本数を争っていたのか、両手を突き上げてド派手なガッツポーズも見せた。

 チーム合流2日目。前日には「まだ時差ぼけがある。早めにしっかり動いて調整したい」と話していたが、本当に調整段階なのだろうか。黒のバット2本を手に打撃ケージへ。4スイング目にバックスクリーンにぶち込んだのが圧巻の本塁打ショーの幕開けだ。11スイング目からは4連発。体がちぎれんばかりの「マン振り」を続け、最後は27スイング目を右中間席へ。計9本の柵越えでスタンドのファンを酔わせた。

 大谷は所属するエンゼルスでは、疲労蓄積を回避するために試合前の屋外フリー打撃は21年から行っていない。レア度満点の貴重なショー。幸運にあずかったのはファンだけではない。チームメートも一緒だった。大谷が打撃ケージに入ると村上、山田、山川らが後ろに陣取って熱視線。その人数は徐々に増え、多くの野手やダルビッシュらが集まり、相手の中日ナインもスマートフォンで撮影するなどした。サポートメンバーの万波は正座で背筋を伸ばして見学。視線の先には神々しいまでのオーラを放つ二刀流の姿があった。

 大谷はチームの選手28人の中で唯一、半袖姿で練習。袖からは驚弾を連発したパワーの源である太い二の腕がのぞく。前日には「自分の調整をしっかりこなしていく。その中で僕を信頼してくれる選手が出てくると思う」と話したが、その言葉は間違っていない。これほど説得力満点の打撃は、誰も見たことがないのだから。(鈴木 勝巳)

 ≪少年ファン飛距離にびっくり≫打席からはるかかなたの5階席で大谷の打ったボールを拾ったのは、小学4年生の深見和真君(10)。「まさかここまで飛んでくるとは全然思わなかった」とビックリ。試合での本塁打と違ってボールは関係者によって回収されたものの「めっちゃうれしい」と目を輝かせた。中日ファンでバンテリンドームではよく観戦するというが「ここまでボールが飛んできた記憶はない」。大谷の打撃には「めっちゃパワーがあって凄かった」と目を丸くしていた。

 ≪投手調整はキャッチボール24球≫大谷はフリー打撃の前には外野で厚沢投手コーチを相手に24球のキャッチボール。最後の7球は投本間に距離を縮め、変化球も交えて強めのボールを投げた。途中でダルビッシュとも言葉を交わし、そのダルビッシュが見学する前でのキャッチボールとなった。今後の投手としての調整については「試合前に何回ブルペンに入るか分からないけれど、強度を上げていけばいい」としている。

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