仙台育英投手陣に「4人目の男」 須江航監督が「ゲームをつくれるマン」と絶賛の143キロ左腕

[ 2023年3月5日 05:00 ]

練習試合   仙台育英4―2神港学園 ( 2023年3月4日    神戸弘陵グラウンド )

「開幕戦」で完投勝利した田中(撮影・柳内 遼平)
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 昨夏、東北勢で初めて甲子園優勝を果たした仙台育英(宮城)は、神戸市で練習試合2試合を行った。神港学園に4―2、神戸弘陵に4―0と投手陣が躍動し連勝。18日開幕の選抜に向けて順調なスタートを切った。

 この日の午前7時50分、仙台空港発の飛行機でナインは神戸にやってきた。神港学園との「開幕戦」。先発のマウンドには最速143キロ左腕・田中優飛(2年)。昨夏の甲子園優勝に貢献した高橋煌稀(2年)、湯田統真(2年)、仁田陽翔(2年)の絶対的な「3本柱」がいる中、自身初となる甲子園のマウンドを目指す男は5安打2失点で完投勝利。11奪三振の快投でアピールに成功した。
 
 「自分が先発するようになって(紅白戦含めて)2試合目なんですけど、全体的にまとめることができました。イニングごとに見ると無駄な球もあったので改善していきたいと思います」
  
 東北から関西への長距離移動だったが、ペースを崩さず冷静なマウンドさばきを見せた。常時130キロ後半の直球、ツーシームなど多彩な変化球でコーナーを付く「大人の投球」が光った。一冬越えて力をつけた新戦力。須江航監督は「3本柱と言われてきて、(主戦の)3人と4人目の間に結構差があったんですけど(田中の成長で)もう差がなくなってきましたね。頼もしいです」と目を細めた。さらに「この対戦相手には左ピッチャーでいきたいという時に(左腕の仁田に加えて)選択肢が出てきたことは大きい。“ゲームをつくれるマン”の田中が入ってくれたことでバリエーションが増えました」と語った。

また、急成長の要因について指揮官はこう分析した。「田中は自己理解ができるようになりました(最速147キロ左腕の)仁田のように球威や球質がほしいと思ったこともあったんでしょうけど、まず自分が何をするべきか、考えてくれた。ゲームをつくるコントロールや投球術に向き合ってくれた。今は自分の力を発揮するためにはどんな組み立て方をすればいいか、理解することができています」
 
 自分の出すべき色を理解したことでチャンスを得た田中。念願の甲子園のマウンドに大きく近づいた。(柳内 遼平)

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2023年3月5日のニュース