岡田野球の象徴や!!阪神・森下 打つだけじゃない 甲子園初見参で魅せた初盗塁&好返球

[ 2023年3月5日 05:15 ]

オープン戦   阪神2ー4オリックス ( 2023年3月4日    甲子園 )

<神・オ>5回、代走で出場した森下が二盗を決める(撮影・岸 良祐)
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 岡田野球の申し子や!阪神ドラフト1位・森下翔太外野手(22=中大)が4日、甲子園デビュー戦となったオリックスとのオープン戦の5回に代走出場し、プロ初盗塁となる二盗を決めた。その後に就いた右翼守備でも、持ち前の強肩を惜しみなく披露。岡田彰布監督(65)が指揮を執る上で重要視する「足と肩」の兼備を、背番号1が大歓声の前で改めて証明した。

 5回先頭のミエセスが四球で歩いた。場内アナウンスの美声が、主役の登場を告げる。「代走・森下」――。甲子園はどよめきに包まれ、一挙手一投足を見逃すまいと、スタンドの視線は一塁ベース上へ。1死後、打席には佐藤輝。5球目、森下が猛然とスタートを切り、豪快に二塁へと滑り込んだ。うれしいプロ初盗塁を決め、全身に大歓声を浴びた。

 「積極的に走り出そうと思っていた。次の塁を狙えればチームのプラス。足でもしっかり貢献していきたい」

 バットに注目が集まりがちな背番号1の新たな魅力となる「足」を、満天下に示した。

 森下劇場第2部の幕開けは、2―3の1点劣勢で迎えた8回。今度は「肩」で猛牛を威圧した。1死二塁で太田が打ち上げた飛球をキャッチすると、素早くカットマンへと返球した。一瞬、三塁への偽走を見せた二走・大城も慌てて帰塁するほど。自画自賛する鉄砲肩がうなった。

 「(打球への)入り方は良くなかったけど、しっかりつないで、進塁させなかったのは良かった」

 このスローイングは単なるデモンストレーションに過ぎなかった。続く頓宮の打球が前進守備の森下の頭上を越えた。懸命に打球を追い、再びドンピシャの送球を中継の二塁・渡辺諒へ。森下→渡辺諒→三塁・熊谷とつなぎ、頓宮の三進を阻止。「前進守備で頭を越されるのは多少仕方ない」と割り切り、ピンチの芽を摘んだ。岡田監督も納得の表情だ。

 「肩、ずっといいやん。肩というか、スローイングがええから」

 5回の二盗はベンチの指示によるもの。昨季までの「グリーンライト(行けたら行け)」とは異なり「サインでの盗塁」は今季、指揮官が徹底するポイントの一つだ。加えて、広い甲子園で無駄な進塁を防ぐのもまた、岡田野球の基礎。この2つを甲子園デビュー戦でクリアした森下は「岡田野球の申し子」と呼ぶにふさわしい。

 この日、4年ぶりに鳴り物と声出し応援が解禁された。「応援は迫力があった。もっとお客さんが増えてくれば、歓声も大きくなる。味方につけてプレーしたい」。5日は先発予定。足、肩に続き、今度はバットで聖地を沸かせる。(八木 勇磨)

《試合前から初々しさ》
 この日が甲子園デビューとなった森下だが、試合前から初々しかった。チームはオープン戦3戦目で初めての本拠地。練習は試合開始の2時間前までで、メンバー交換される同40分前までの約80分間の過ごし方に戸惑っていた。

 「プレーボールまでこんなに時間が空くのは初めてなので。仮眠を取る選手もいると聞くのですが、自分がどうするのかはこれから経験していく中で、何がいいか見つけていきたいと思います」

 オープン戦期間中で選手数が多いことから、現在は西純と2人で1つのロッカーを共有している。開幕後、登録メンバーが31人に絞られた時に割り当てられるそうで、それまでは、なかなか居場所もなさそう!?

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