阪神10点大脱出! 緊急昇格「1番・中野」が躍動 前夜、井上ヘッドの“お願い”が「心に刺さりました」

[ 2022年8月19日 05:15 ]

セ・リーグ   阪神10―2ヤクルト ( 2022年8月18日    神宮 )

<ヤ・神>8回、阪神・中野は適時二塁打を放ち、激走する(撮影・沢田 明徳)
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 大脱出だ!阪神は18日のヤクルト戦に10―2で大勝し、連敗を8でストップした。緊急昇格して即「1番・遊撃」で出場した中野拓夢内野手(26)が、8回に適時二塁打を放つなど2安打1打点、1盗塁と走攻守に躍動。打点を挙げれば開幕から13連勝の頼れるリードオフマンが、新型コロナウイルス陽性から復帰して即座に猛虎を救った。

 舞い戻った正遊撃手が、猛虎を泥沼の連敗劇から救い出した。2軍戦を挟まず、ぶっつけ本番で7日の広島戦以来となった実戦舞台。中野は走攻守全てで躍動し、チームに新風を吹き込んだ。

 「(前夜に)“今のチーム状態を変えてくれ”と井上ヘッドコーチに言われて。自分の中で(心に)刺さりましたし、復帰した日に連敗を止めることができてよかった」

 序盤からブランクを感じさせない存在感を発揮した。初回の守備では先頭・塩見が放った痛烈なライナーをダイビングキャッチ。「先に打席に入ることができてからの守備だったので、気持ちとしては普段通り守ることができた」。好守で西純を盛り立てると、3回には1死一塁で一ゴロながら一走として残り、続く島田への4球目に二盗を決めた。今季18個目の盗塁がロハスの先制3ランを呼び込んだ。

 「正直最初はなかなかボールを捉えることができなかったですし、感覚と違うなというのはあった」と、3打席目までは凡退した打撃でも終盤に魅せた。7回2死一塁で右腕・今野の直球を右前にはじき返し、復帰後初安打。一挙5得点の足がかりをつくると、8回1死一塁では左腕・山本の初球、直球を右中間に運ぶ適時二塁打で10点目を叩き出し、塁上で力強く拳を握った。

 横浜遠征初日の9日DeNA戦前にコロナ陽性判定を受けて抹消。チームの連敗劇はその日から始まった。関東で自主隔離し、16日のヤクルト戦の試合前にようやく練習復帰。前日17日は甲子園室内で調整し、本来はきょう19日から昇格予定も、敗戦が続くチーム事情により緊急での昇格を告げられた。「テレビで見ていても苦しい戦いが多いなと。どうしようと思っても部屋から出ることができない状態だった。本当に応援するしかなかった」。とんぼ返りからの躍動を果たした背番号51は、主力としての自覚をにじませる。

 「貢献するのは当たり前のこと。明日からもしっかりチームに貢献したい」

 打点を挙げれば昨年からレギュラーシーズンでは14連勝とし、ビジター8連敗が続いていた“魔の木曜日のジンクス”も止めた。残り31試合。リードオフマンが、猛虎を再浮上へと導く。(阪井 日向)

 《5度目2桁得点》阪神の2桁得点は7月13日の巨人戦13得点以来、今季5度目。連敗を8で止め、開幕9連敗に並ぶ今季2度目のワーストを回避。仮にシーズン2度の9連敗以上なら99年(7~8月9連敗、9月12連敗)以来23年ぶり、チーム2度目の屈辱だった。また曜日別で唯一未勝利だった木曜日のビジターゲームも、10戦目の初勝利(8敗1分け)とした。

 《大山も19日帰ってくる》離脱中の大山は、きょう19日の巨人戦で1軍復帰する。矢野監督がヤクルト戦後に「悠輔も呼びます」と明かした。5日に新型コロナウイルス陽性が判明した時は無症状だったが、その後に症状が出たため、この試合で復帰した中野(9日に陽性判定)よりも時間を要した。前日17日に続いてこの日も鳴尾浜球場でのシート打撃で調整。指揮官は「明日は悠輔がスタメン」と明言した一方で「体がしんどいなら途中で代えることもある」と状態を見極めながら起用する方針だ。ようやく主力組も戻ってくる矢野阪神が再逆襲をかける。

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2022年8月19日のニュース