パッションあふれる大阪桐蔭・吉沢記録員 大きな声が聖地に響いた

[ 2022年8月19日 04:07 ]

第104回全国高校野球選手権第12日・準々決勝   大阪桐蔭4―5下関国際 ( 2022年8月18日    甲子園 )

<大阪桐蔭・下関国際>9回の守備に就いた大阪桐蔭ナインを鼓舞する吉沢記録員(撮影・椎名 航)
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 【いっちーの届け夏エール】昨年11月。大阪桐蔭の記録員・吉沢昂君(3年)は冷える神宮球場でも一人だけ半袖の制服姿でした。「パッションなんで!」と年中半袖の熱い気持ちで副主将としてけん引してきました。

 選抜は背番号18で優勝メンバー。市和歌山との準々決勝では代打で三ゴロでも、部員全員が拍手で出場を喜んだほどの人柄です。

 「吉沢の声はいいもんがある。それを生かしてほしい」。西谷浩一監督の言葉は夏のメンバー外を意味しました。大阪大会直前、吉沢君は3年生を集めました。「悔しい気持ちは忘れてサポートする。メンバーは自信をもってやってくれ」。20人で流した涙が、心を一つに。打撃投手など裏方に徹し、寮で同部屋の星子主将からはいつも「ありがとう」の言葉がありました。

 「緊張したら俺の顔見ろ。スッキリさせたるから!」と送り出した甲子園。1点を追いかける9回裏は攻撃前の円陣に加わりました。「やることやってきたから信じてやろう!」。敗戦後は涙を流しながらも号泣する仲間を最後まで支えました。この夏戦った4試合、人一倍大きな声を出し、深くお辞儀をする姿は、誰よりも聖地で輝いていました。

 ◇市川 いずみ 京都府出身のフリーアナウンサー兼ピラティスインストラクター。山口朝日放送時代に高校野球の実況で「ANNアナウンサー賞最優秀新人賞」を受賞。昨年からは早稲田大学大学院スポーツ科学研究科に在学し、野球選手の障害予防について研究中。

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2022年8月19日のニュース