近江、3季連続4強! 山田「情けないエース」浅野に打たれ、右太腿裏つっても勝った

[ 2022年8月19日 04:06 ]

第104回全国高校野球選手権第12日・準々決勝   近江7―6高松商 ( 2022年8月18日    甲子園 )

<近江・高松商>試合終了後、高松商・浅野(左)に声をかける近江・山田(撮影・藤山 由理)
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 近江が壮絶な激闘の末に勝利の校歌を聞いた。山田陽翔は痛む右足を引きずり、右翼から最後に整列に加わった。甲子園大会では自己最悪の6失点で、春夏通算11勝目。今大会3度目の2桁奪三振で通算100奪三振の大台に乗せても苦しんだ。仲間に支えられて1点差を死守し、3季連続の4強進出。三塁アルプス前では好救援だった星野世那の肩を抱き、感謝を伝えた。

 「ボディーブローが効いたのが勝因なのかな。でも、情けないエース。甲子園に入って、みんなに助けられてばかりです」

 浅野を抑えることができなかった。初回は変化球を左二塁打され、3回には力をこめた146キロをバックスクリーンに運ばれた。「あの弾道なら届かない」と思った低いライナーがそのまま伸びた。「凄いパワー。低めの変化球には手を出さない。シンの強さを感じた。評判通りでした」と脱帽した。

 7回1死一、二塁では申告敬遠で満塁策を選択。「前の打席で“勝負させてください”と言って打たれてますから」と勝利を優先。思いはチームメートにも伝わった。7回の打席でファウルを打った際に右太腿裏をつり、8回1死一、二塁で降板。満身創痍(そうい)でも白星を守った。これがエースだ。

 4年前は同じ準々決勝で金足農に逆転サヨナラ2ランスクイズで敗れた多賀章仁監督(63)の誕生日にウイニングボールを手渡した。アルプスでは当時の左腕・林優樹(20=西濃運輸)が「最後までキャプテンは先頭に立った」と認めた。大黒柱の下、近江は一つになった。(鈴木 光)

 《星野踏ん張った》1点差で8回1死一、二塁で登板した左腕・星野世那が踏ん張った。いきなり迎えた浅野との勝負はスライダーで左飛。なお2死満塁は二ゴロで切り抜けた。「今大会は山田に負担をかけてばかり。頼り切っている。こういう場面があれば、自分が助けないといけないと思っていた」。今大会3度目の登板で好救援を見せ、多賀監督も「甲子園で成長した」と評価。準決勝では先発の可能性も出てきた。

 《13校目》近江が11、12年の光星学院以来の2年連続4強進出。近江は準優勝した今春選抜も含めて3季連続の4強。甲子園の3季連続4強は16年春~17年春の秀岳館以来13校目(14度目)、48年の学制改革以降では7校目。

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