福島敦彦氏　近江は確実にレベルアップしている　相手投手に与えるプレッシャーは相当なもの

第104回全国高校野球選手権第2日・1回戦   近江8－2鳴門 （ 2022年8月7日    甲子園 ）

＜近江・鳴門＞5回2死一、二塁、近江・横田は逆転の2点適時三塁打を放ち雄叫びを上げる（撮影・後藤　大輝）
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　【福島敦彦の迫球甲子園】近江は準優勝した選抜から確実にレベルアップしている。春は山田君が投打に目立っていたが、この日は好左腕の鳴門・冨田君をチームとして攻略した。

　4回まで1得点だったが、3巡目に入った5回以降に仕留めた。各打者の選球眼の良さとコンパクトなスイングは春から特長としてあったが、夏を迎えて打撃力自体が増し、相手投手に与えるプレッシャーは相当なものだ。選抜では9番を打っていた2年生の清谷君が夏は2番に昇格し4安打。真っすぐ、スライダーともに、前で捉える力強いスイングで5回の逆転の起点にもなった。

　山田君の投球は安定している。140キロ台の真っすぐにスライダー、ツーシームがいずれもカウントを取れるし決め球にもなる。この日も無四球で制球難で自滅することは考えられず相手打者も対応するのは簡単ではない。3失策した内野守備は課題として、今後の躍進に期待を抱く初戦だった。

　鳴門は冨田君が大阪桐蔭を3点に抑えた選抜の出来になかったのが残念だ。（報徳学園、慶大、中山製鋼元監督）