ヤクルト・村上　日本新記録の5打席連発!22歳の若武者が歴史的快挙「ちょっと狙ってました」

セ・リーグ   ヤクルト5―0中日 （ 2022年8月2日    神宮 ）

＜ヤ・中＞3回、5打席連続本塁打となる2ランを放つヤクルト・村上。投手・柳（撮影・木村　揚輔）
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　祝日本新記録！ヤクルト・村上宗隆内野手（22）が2日、中日戦の初回に右越え38号ソロを放つと、3回には左中間へ39号2ラン。7月31日の阪神戦（甲子園）から5打席連続本塁打となり、これまでの4打席連発を上回るプロ野球新記録、同様だった大リーグ記録も上回った。公式戦がスタートした1936年から87年目。プロ5年目の若きスラッガーが、誰もなし得なかった快挙を達成した。

　ファンの期待も自分の夢も現実にした。村上が伝説をつくった。打球が左中間席に飛び込む。日本新記録の5打席連発。神宮のファンは、花束を受け取る背番号55に惜しみない拍手を送った。

　「本当にうれしいですけど、実感はあまり湧いていない。5打席連続打てたらいいなぁくらいの気持ちで。ちょっと狙ってましたけど（笑い）」

　歴史的瞬間は、2―0の3回1死一塁だった。フルカウントからの6球目。柳の外角130キロチェンジアップを最後は右手一本で拾った。「体勢を崩されたけれど、左手の感覚も右手のフォロースルーもよかった。もしかしたら入るんじゃないかと」。粘り腰で捉えた打球は、左中間席まで伸びた。昨年の自己最多に並ぶ39号2ランが、新記録の一本になった。

　初回。大きな注目を集める中で、難なくプロ野球記録に並んだ。柳の真ん中の109キロカーブ。「今年一と言っていいくらい完璧なホームラン」と右翼席上段まで運ぶ、確信歩きの38号ソロ。「世界の王」らと並ぶ4打席連続本塁打だった。

　正夢だった。7月31日の阪神戦で3打席連発。休養日の前夜のことだ。「ホームランを打つ夢を見た。もしかしたら（4打席連発を）打てるかなと思って球場来たので、誰にも話さなかった」と初回に自らのバットで夢を実現。さらにもう一打席加えたことには「さすがに5打席連続（の夢）は見ていない」と笑った。

　世界にもアピールした。この日、大リーグのヤンキースのスカウトが神宮に視察に訪れていた。同スカウトはコメントを避けたが「ムラカミ」の名は強烈なインパクトとして脳裏に刻まれた。6回先頭の第3打席は左翼線二塁打。空振りするだけでどよめきが起き、二塁打なのに起きた残念そうなため息も、村上の凄さの証だった。

　新型コロナウイルスに集団感染した7月は「凄く苦しかった」とチームが苦戦する中で主砲として引っ張った。「今日はそのご褒美かなと。明日からは切り替えます。また明日から集中して頑張りたい」。3戦6発で、これでシーズン58発ペース。13年にバレンティンがつくったシーズン60本塁打更新にも、期待は高まるばかりだ。（青森　正宣）

　≪プロ野球87年目で初≫村上（ヤ）がプロ野球新記録の5打席連続本塁打を達成。これまでの最多連続打席本塁打は過去13人の4打席で、四死球をはさんだ最多連続打数本塁打も過去20人、21度の4打数。村上の5打席連続及び5打数連続本塁打は、36年に初の公式戦が行われてからプロ野球87年目で初の偉業になった。

　◇村上　宗隆（むらかみ・むねたか）2000年（平12）2月2日生まれ、熊本県出身の22歳。九州学院では1年夏に4番として甲子園に出場し、高校通算52本塁打。17年ドラフト1位でヤクルト入団。プロ入り後に捕手から内野手に転向した。19年は36本塁打で高卒2年目以内シーズンでは53年の西鉄・中西太に並ぶ最多本塁打で新人王。日本一となった昨年は史上最年少100本塁打を放つなど、セ最年少でMVPに輝いた。1メートル88、97キロ。右投げ左打ち。