落合博満氏「球場を45度しか使わなかった唯一の打者」 世界の本塁打王のすごさを語る

[ 2022年8月3日 17:00 ]

落合博満氏
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 現役時代に3冠王を3度獲得し、監督としては中日を4度のリーグ優勝に導いた落合博満氏(68)が3日、自身のYouTube「落合博満のオレ流チャンネル」を更新。不滅のプロ野球記録となる通算868本塁打を記録した王貞治氏(82=現ソフトバンク球団会長)について言及した。

 「やっぱり記録ですよ。868本っていうホームラン。アメリカの人は認めないっていうけど、日米で一番ホームランの数を打ってる人だから。だからそれ以上のバッターはいないでしょ。ホームランから言えばね」と落合氏。そのすごさについては「“王シフト”ってのが敷かれたけども、当時、王さんは“外野の頭を越えればスタンドいくんだから、どんなシフト敷かれたって構わないよ”っていうことを言ったはずなんだ。球場を45度しか使わなかったっていう唯一のバッター」と独特の表現で評した。

 王シフトとは、中堅から右翼への打球の割合が多いというデータを基に、右方向に内野手、外野手ともに移動して極端な守備隊形を敷くこと。現在のプロ野球界では「守備シフト」は常識となっているが、初めて「王シフト」が敷かれたのは1964年5月5日の巨人─広島戦(後楽園)と言われている。王貞治氏は「狭くなった(野手の)間を抜く強い当たりを打つ」「頭上を越えてスタンドまで届かせればいい」と自らのスタイルを貫いた。

 落合氏は、このメンタリティー、グラウンドを45度しか使わない技術的な難しさについて「外のボールでも巻き込んで打たなきゃいけない、インサイドは肘を畳んで打たなきゃいけない」と語り、「普通だったら、人がいないとこに打てよ、って思うだろうけど、調子悪くなったらね。それを絶対にしなかった人だから」と補足した。

 さらに「記録に残るか、記憶に残るかっていうことを、“オレは記憶に残りたい”って言った選手いたけどさ、記憶に残るっていうのは、記録には勝てないんだよ。例えば、去年優勝したのはどこで、2位はどこだったっていったら、すぐ忘れるじゃん。それと一緒でね、1番上の記録を持っている人っていうのは延々と語り継がれていくっていうものがあるだけにね、そりゃ、すごいバッターが誰かって言えば、王さんになるんじゃないのかな」と歴代1位となることの価値について、持論を述べた。

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