エンゼルス大谷 3日午前7時にトレード期限迎え“今季残留”が決定 オフにかけて争奪戦へ

[ 2022年8月3日 07:37 ]

エンゼルスの大谷翔平
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 大リーグは米東部時間8月2日午後6時(日本時間3日午前7時)、トレード期限を迎え、動向が注目されていたエンゼルスの大谷翔平投手(28)に動きはなく今季の残留が決まった。

 米メディアの報道によれば、メッツ、ドジャースなど複数球団が大谷のトレードをエ軍に打診。当初からトレード期限までの移籍の可能性は低かったが「エンゼルスが初めて他球団のオファーに耳を傾けている」「トップの有望株4人を見返りに求めている」などと、球団の水面下の動きが伝えられていた。

 複数の関係者によれば、トレードに最も難色を示したのはアート・モレノ・オーナー。一般的に、トレードで放出する際の価値は、FAまでの期間が長い方が高い。今回、FAまで約1年半の大谷が期限前にトレードがされれば、現在、地区4位に低迷し、今季もポストシーズン進出が絶望的なエ軍は見返りに若手有望株5選手以上が期待でき、メリットは大きかった。

 だが、モレノ・オーナーはトラウト、レンドンら長期契約選手と、大谷を含めた現有戦力を中心に戦いたい方針。もちろん、集客、グッズ売り上げ、スポンサー収入など大谷がもたらす球団や本拠地周辺への経済効果も手放したくなかった。

 2年契約が終了する今オフは年俸調停の最終年。今季年俸550万ドル(約7億3000万円)は格安で、20年1月に調停史上最高額の年俸2700万ドル(約35億9000万円)で契約したベッツ(当時レッドソックス、現ドジャース)を超える歴史的昇給になる可能性がある。もし、複数年契約を結ぶのであれば、メッツの右腕シャーザーの史上最高年俸4333万ドル(約57億6000万円)を上回る巨額契約も必至だ。

 だが、開幕前の話し合いでエ軍はオファーに至らなかったと既に報じられている。モレノ・オーナーは開幕前の労使交渉で年俸総額(ぜいたく税課税の基準額)の増額に反対。トラウト、レンドンなどスター選手の獲得には積極的で資金力は豊富だが、いわゆる「第2グループ」の選手たちの獲得には消極的のため、ぜいたく税の支払いは04年の一度しかない。そのため、近年のエ軍は絶対的に投手、野手ともに層が薄い。

 大谷のかねてからの目標はポストシーズン出場、そしてワールドシリーズ制覇。このオフは大谷の心を突き動かすような、モレノ・オーナーの補強への本気度が試されるだろう。

 問題を先送りしただけで、今後も火種はくすぶり続ける。オフにかけて大谷の争奪戦が水面下で激しく繰り広げられそうだ。

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