田淵幸一氏 ヤクルト・村上はシーズン最多60発も夢じゃない!ロスなく大崩れしないフォーム絶賛

[ 2022年8月3日 05:30 ]

セ・リーグ   ヤクルト5―0中日 ( 2022年8月2日    神宮 )

<ヤ・中>3回、5打席連続本塁打となる2ランを放ち、花束を手に客席に手を振る村上(中央)(撮影・木村 揚輔)
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 凄みさえ感じるヤクルト・村上の打撃。通算474本塁打をマークしたスポニチ本紙評論家・田淵幸一氏(75)が、その打撃を分析した。自身も阪神時代の73年に4打数連続本塁打を記録。村上にはシーズン最多記録となる60本塁打超えも期待した。

 凄い。あの王さんもなしえなかった5打席連続ホームラン。自然体で構え、投球にタイミングを合わせて両肘を伸ばせば、打球が飛んでいく。ヘッドを最短距離でボールにぶつけ、全くロスのない打撃フォーム。打つべくして打っている。

 村上はどちらかというとローボールヒッターだが、今年は高めのストライクゾーンぎりぎりのボールもこなせるようになっている。7月31日の阪神戦、9回に岩崎から打ったこの試合2本目の同点ホームラン。内角高めの真っすぐを右翼席に叩き込んだ。右肘をたたんでボールを捉え、でんでん太鼓のように回転。そして上体をブリングバック、のけぞらせて「逆くの字」の形をつくり、両肘を伸ばして打球にパワーを伝える。今年一番の成長を感じる一発だった。

 プロ野球新記録となった5本目。フルカウントからの外角チェンジアップを左中間スタンドに運んだ。泳がされているように見えて頭の位置は全然動いていない。頭と一緒に手が前に出されていたらせいぜい内野ゴロだっただろうが、グリップがしっかり残っていたから右手一本でホームランにできた。

 私はプロ入り5年目の73年に巨人戦で死球を挟んで4打数連続ホームランを記録した。村上も5年目。でも高校から入っての5年目で、大学出の1年目と同じ22歳だよ。末恐ろしい。王さんの55本はもちろん、バレンティンの60本も十分に狙える。3冠王も。体のバランスがいいし、大崩れしないフォーム。この酷暑の中で打ちまくっているのも、さらなる記録達成を予感させる。

 ≪58発ペース≫チーム95試合目で39号に到達し40号に王手をかけた。シーズン40号の歴代最速記録は、66、67年王貞治(巨)、85年バース(神)のチーム97試合目。村上が3日の中日戦で到達すると記録更新となり、シーズン最多の60本塁打を放った13年バレンティンの40号到達ペース(チーム98試合目)も上回る。現在のペースなら最終58号まで届く計算。

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2022年8月3日のニュース