自力V消滅の阪神・矢野監督“今季最短”1分強の会見 甲子園25イニング無得点に「打っていかないと」

[ 2022年6月1日 05:30 ]

交流戦   阪神0-2西武 ( 2022年5月31日    甲子園 )

<神・西>西武に零封負けを喫し、肩を落としてファンにあいさつする矢野監督(撮影・北條 貴史)
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 阪神は5月31日の西武戦に0―2で敗れ、今季初めて自力優勝の可能性が消滅した。シーズン54試合目での消滅は今世紀に入って球団最速。13度目の零敗を喫した矢野燿大監督(53)は試合後の会見を“今季最短”の1分余りで切り上げ「うん、頑張ります」と声を絞り出した。首位ヤクルトとのゲーム差は12・5まで開いたが、残りはまだ89試合。前を向いて勝ち続けるしかない。

 早くもこの日が来てしまった。あくまで机上の計算とはいえ、今季のペナントレースの行方を占う大きな指標となる自力優勝の可能性が消滅。54試合目での初消滅は、球団では今世紀最速の大低迷となった。

 「うん、頑張ります…」

 言葉少なく、1分強で会見を切り上げた矢野監督の背中が、現状を物語っていた。どうしても1点が遠い。本拠地・甲子園では25イニング連続無得点。「もちろん、初めて対戦するわけやから。まあ、それにしてもね…。別にコーナーに来ているわけでもないし、何かびっくりするような球があるわけでもないんで」。指揮官が嘆いたように、先発の佐藤に対しては手も足も出ないような投球ではなかった。

 それでも制球が荒れていたため逆に的が絞れなかったのか…。新人左腕の前に5回まではわずか1安打。0―1の6回2死一、三塁で降板させたものの、この好機も糸井が2番手の水上に投ゴロに仕留められた。

 「もうちょっとやっぱり、打っていかないとね…」

 同じ負け方の繰り返しだけに矢野監督の口も重くなる。今季の零敗は早くも13度目で、相手先発が左腕の試合では6勝15敗とやられっぱなしだ。初対戦となった佐藤のような“初モノ”に苦戦するケースも目立つ。7回1死からは島田、高山、ロハスと3連続で代打を投入して手は尽くしても、得点には結び付かなかった。

 自軍とヤクルトの結果次第で自力優勝の可能性がなくなる26日の楽天戦から4戦踏ん張ったが、5度目でついに消えた。首位のヤクルトとのゲーム差は12・5と、置かれている状況は厳しい。それでも、残りはまだ89試合あるのだ。

 そして1日に勝てば、再び自力優勝の望みが復活する可能性もある。甲子園にはこの夜も3万人を超える観衆が勝利を信じて足を運んだ。タテジマの伝統あるユニホームに袖を通す限り下を向くことはできない。これ以上の屈辱は見せられない。甲子園6連戦の残り5試合、もう全勝の覚悟で臨むだけだ。(山添 晴治)

 《00年以降最速》阪神は今季初めて自力での優勝の可能性が消滅した。阪神が残り89試合に全勝しても勝率・768で、ヤクルトが阪神戦13試合以外の79試合に全勝した時の勝率・775を上回れないため。54試合消化時点及び5月31日は、2000年以降ではともに01年の67試合と6月27日を上回り最速となる。

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2022年6月1日のニュース