阪神異常事態…月間チーム防御率1・79で5月負け越し 西勇6試合連続QSの7回1失点も報われず

[ 2022年6月1日 05:30 ]

交流戦   阪神0-2西武 ( 2022年5月31日    甲子園 )

<神・西>2回、山川に先制弾を浴びた西勇(撮影・成瀬 徹)
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 107球の粘投は報われなかったが、胸を張っていい投球だった。阪神先発の西勇は再三、ピンチを招きながらも7回6安打1失点にまとめた。しかし、打線の援護に恵まれず、4敗目。漂う悲愴(ひそう)感がすべてを物語っていた。

 「どこのチームも強力。心がけてるところは変わらないし、やることも変わらない」

 泰然自若で臨んだ一戦だったが、一発に泣いた。0―0の2回だ。先頭の山川に内角低めのシュートを左中間席に運ばれた。「(抑える)イメージは自分の中ではある」と対策は練っていただけに、悔やまれる被弾。それでもすぐに切り替えた。3回は3者凡退。4回は1死一、二塁とするも、後続を抑えて点を与えなかった。粘りながら、徐々に本来のリズムを取り戻し、3回以降は0をスコアボードに並べた。

 西武戦は19年6月21日以来、3年ぶりで通算3勝9敗と苦手にしていた中で迎えたが、相性は問題にしなかった。矢野監督も「ホームランだけやったし、状態もずっといい感じで投げている」と粘投をたたえた。

 4月27日の中日戦から6試合連続でクオリティースタート(6回以上自責3以下=QS)を記録し、防御率1・64は青柳に次いでリーグ2位。フル回転で屋台骨を支えている。

 投手陣全体でも5月の24試合のうち、22試合は3失点以下に抑えており、月間のチーム防御率は1・79。「月間防御率1点台で勝ち越せない」のは12年9月以来10年ぶりの事態だ。4月終了時点ではチーム防御率3・56だったが、5月の奮闘でリーグトップの同2・76まで下がった。投手陣の安定感は光る。悲観せず、前だけを向いていくしかない。(長谷川 凡記)

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2022年6月1日のニュース