阪神・中野 2盗塁&3安打で5連勝呼んだ!今季6盗塁リーグ単独トップに浮上

[ 2022年5月1日 05:30 ]

セ・リーグ   阪神10ー3巨人 ( 2022年4月30日    東京D )

<巨・神>7回2死満塁、糸井の中前打で生還した中野はナインとタッチをかわす(撮影・大森 寛明) 
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 阪神・中野拓夢内野手(25)が30日の巨人戦で2盗塁&3安打の活躍を見せ、今季初の5連勝を呼んだ。4、6回はともに二盗が得点に絡み、1点を勝ち越した7回2死満塁では中前への2点適時打で一挙6得点に貢献した。猛打賞は今季3度目で6盗塁は今季初めてセ・リーグ単独トップに浮上。首位を走る宿敵からの逆転勝ちで最大借金16を11まで減らし、5月反攻へ勢いづけた。

 会心の同点劇は6回2死無走者から始まった。主役は中野だ。中前打で開いた突破口。自らの足でさらに大きくこじ開けた。カウント1―1。「(打者が佐藤)輝というところで変化球が増えてくる」。巨人バッテリーが盗塁警戒で2球目を大きく外した後の3球目、スプリットを読み切って走った。投球はワンバウンド。余裕すら持って二盗が決まった。直後の4球目、佐藤輝の左前打で生還した。

 4回は四球で出た近本が走った6球目に連動して二塁強襲の安打。無死一、三塁へ好機を広げた後、初球にしかけた二盗が大城の悪送球を誘って1点目を奪った。難敵シューメーカーに0―2から追いつき、6回で降板させた時点で同点以上の優勢に立った。

 7回は押し出しを含む4四球をもらって勝ち越し、なお2死満塁。フルカウントからファウル2球を重ねた後、今村の内寄り直球を中前へ打ち返し、勝利を決定付けた。

 「しっかり低めの変化球を我慢しながら、真っすぐはファウルでもいいぐらいの気持ちで待っていた。決めてやろうというより、何とか後ろにつなごうという気持ちがいい結果になった」

 打って走って試合を動かした。特に盗塁は22日のヤクルト戦以来、6試合ぶり。30盗塁で史上4人目の新人盗塁王に輝いた昨季は5度あった複数盗塁を今季初めて決めた。目標の一つは50盗塁。4月終了で6盗塁まで伸ばし、今季初めてリーグ単独トップに浮上した。

 「自分と近本さんが塁に出て、かき回すのがタイガースの野球でもある。そうすることによってクリーンアップが打ちやすくなる。走れる場面でしっかり走るだけ。積極的に走っていければ、どんどん数も増えてくる」

 佐藤輝との“アベック盗塁”でチームとしても今季初の1試合3盗塁。矢野監督は「走るのがうちの野球。みんな意識高くやってくれていると思う」と目を細めた。5連勝で5月に突入し、当面の目印だった5位・DeNAとの最大8ゲーム差(4月21日時点)は早くも3差。猛虎が逆襲へ走り始めた。(石崎 祥平)

 《月間敗数ワースト更新回避》阪神は今季最多の5連勝。連続カード勝ち越しも今季最長の3カードに伸ばした。4月は9勝14敗1分けで終了。月間14敗は17年6月の14敗(8勝)以来5年ぶり。4月に限れば96年と01年に並ぶ球団最多。ただ、最後の踏ん張りでワースト更新を回避。勝率.310で今季初めて3割に乗せた。同点の7回に6四球を絡めた打者11人で一挙6得点の勝ち越し。1イニング6得点は昨季6月12日の楽天戦9回6得点以来で、巨人戦では20年8月6日の8回7得点以来。また、中野2盗塁、佐藤輝1盗塁の1試合3盗塁は今季最多。昨季の1試合3盗塁以上は10度(4盗塁2度、3盗塁8度)あり、シーズン114盗塁は3年連続リーグ最多だった。4月終了時点の18盗塁は昨季の21盗塁とほぼ同じペース。2年連続100盗塁超えなら60年115盗塁、61年103盗塁以来61年ぶり。

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