ソフトB・藤本監督「リード面考えないといかん」、一発攻勢で4点差追いつかれた甲斐のリードに苦言

[ 2022年5月1日 05:30 ]

パ・リーグ   ソフトバンク6ー7楽天 ( 2022年4月30日    楽天生命 )

<楽・ソ>9回、打席に西川を迎えるところでマウンドに集まるソフトバンクの選手たち(撮影・篠原岳夫)
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 “悲弾”が止まらない。ソフトバンクは30日、4点差を守れず延長戦で今季2度目のサヨナラ負けを喫した。楽天に対し9回2死までリードしたが、リバン・モイネロ投手(26)が西川に同点3ランを被弾。延長11回に津森宥紀投手(24)が浅村に決勝打を浴びた。藤本博史監督(58)は甲斐拓也捕手(29)に、リード面で猛省を求めた。3連敗で首位楽天とは3ゲーム差に広がった。

 これまで見たことがない鬼の形相だった。今季チーム最長、4時間16分の戦いを終えた延長11回。藤本監督はサヨナラの歓喜に沸く楽天ナインしばらく見つめ、重い腰を上げた。取材に応じると、怒りの矛先は甲斐に向けられた。9回2死の場面だ。

 「モイネロで打たれたら仕方ない。けど、リード面は考えないといかんよね。あそこでホームランが一番いけないところ。こっちは4点差でも又吉、モイネロと万全の態勢でいってる訳やから」

 6―2で9回のマウンドにモイネロが上がった。途中出場した二塁・川瀬の悪送球が絡み1点を失うと、なお2死一、二塁。西川に対し、外角を狙った直球は真ん中に入り、痛恨の同点3ランを被弾した。「あそこはもっと、好調打者を警戒しないといけない。投手に対して“低く”とか“長打はダメ”とか。やっぱり勢いでいっているように見えたね」。いらだちは隠せない。伏線があった。

 一発の怖さは何度も痛感してきたはずだった。27、28日の西武戦。初回、いずれも山川に直球を3ランされ、2連敗した。そこでも甲斐のリードやジェスチャーに対して「考えてもらわないと。構えたところに来ないなら、いかないようにリードしないといけない」と苦言を呈していた。

 カードが替わって、またしても起きた3ランの悪夢。打撃では今季初のマルチ安打をマークした甲斐だったが、指揮官の怒りは償えなかった。

 試合の流れは完璧だった。初回、三森の先頭弾などで2点を先制。中押し、ダメ押しを重ねて6得点。投げては楽天戦6連勝中の千賀が「野手のおかげで7回まででしたが、何とか、何とか、何とか、何とか抑えることができた」と7回4安打2失点にまとめた。そして、念には念を入れて8回に又吉。4点リードで9回はモイネロを投入。ここまでして、あと1死が奪えなかった。

 藤本監督は「一番、してはいけない試合だからね。今日はしっかり反省して、明日、切り替えていくしかない」と言い聞かせた。月間でも9勝11敗1分け。4月の負け越しは12年以来10年ぶりだ。3連敗で首位楽天とは3ゲーム差。悪夢を自ら断ち切らなければいけない。(福井 亮太)

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2022年5月1日のニュース