浜松開誠館 エース左腕の山口祥吾が9回3安打の完封勝利 準々決勝は日大三島

[ 2022年5月1日 21:14 ]

<島田商・浜松開誠館>雨中でも後方スコアボードにゼロを並べ、公式戦フルイニング初完封で初の今夏シード獲得に導いた浜松開誠館のエース山口祥
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 第69回春季高校野球静岡県大会は1日、雨の影響で予定の3回戦8試合中成立した7試合の勝者が今夏第104回選手権県大会のシード8校に決まった。浜松開誠館は2日間連投のエース左腕・山口祥吾(3年)が、島田商相手に9三振を奪う散発3安打で公式戦9イニング初完封(過去に5イニングはあり)。1998年の創部以来25年目で初の勲章を手にした。

 一夜明けての連投も何の。激しく降りつける雨ですらハンデにならなかった。エース左腕・山口祥が魅せた。5回1安打無失点に抑えた前日・富士との2回戦63球に続き、この日も島田商相手に134球散発3安打完封ショー。9回に二遊間の連続失策で1死二、三塁のピンチを招こうが「グラウンドが悪いし仕方がない。自分がカバーする」と後続を中飛と左飛に仕留め、チームに初の今夏県シード権をもたらせた。

 「うれしい。追い込んでからチェンジアップが低めに決まって三振が取れた。昨日に続いての連投でしたが良い疲労感でした」
 制球抜群で四球は4回に出した1つだけ。雨量が増した後半も相手のエース左腕・田村勇翔投手(3年)がぬれたボールに苦しむのとは対照的に「最近は雨が多かったし、その中でストライクが取れるように準備できていました。成長したと思います」と笑顔で自画自賛した。

 公式戦のマウンドに立つ度に進化する最速138キロ左腕。元中日外野手の佐野心監督(55)は「技量も一番低く、信頼の部分でマイナスから始まったのに。昨日、今日とエースらしくなってきました」と絶賛した。昨秋までは指示待ちタイプ。欲もなかった。それが今季は結果が出始めたことでメンタルに変化が生じ、加えて「最後の代。自分が投げて勝ちたい」と貪欲になった。日頃の行動も計画的で、自己責任にも目覚めている。

 「実は5回が終わって完封を狙っていました」とニヤリした左腕は、今春センバツ代表・日大三島との準々決勝に向け「完封を狙います」と宣言した。夏の甲子園初出場を視野に、まだまだ伸びる。(小澤 秀人)

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2022年5月1日のニュース