万波弾だけ!日本ハム1安打で勝った 延長で本塁打1本のみによる1―0白星は73年ぶり

[ 2022年4月18日 05:30 ]

パ・リーグ   日本ハム1―0ロッテ ( 2022年4月17日    ZOZOマリン )

<ロ・日>10回、万波が先制ソロを放ち跳び上がって喜ぶ新庄監督(奥)(撮影・沢田 明徳)
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 8回まで無走者、9回まで無安打でも勝っちゃった!日本ハムは17日、ロッテ戦で佐々木朗希投手(20)に8回までパーフェクトに抑えられた後、延長10回に万波中正外野手(22)が3番手・西野から唯一の安打となる決勝の3号ソロを放ち、1―0で勝利。延長での1安打が本塁打による1―0勝利は49年の前身・東急以来73年ぶりで、2リーグ制後では初めての「激レア」な白星となった。 

 まさに、恩師の野村克也氏が言う「勝ちに不思議の勝ちあり」だ。佐々木朗には完璧に抑え込まれた。しかし、延長10回に万波がこの日唯一の安打となるソロ弾を放ち、73年ぶりの記録的勝利。新庄監督の表情も緩みっ放しだった。

 「1安打勝利はオープン戦(3月2日ヤクルト戦)から2回目?野球って面白いね。昨日17本打って、今日1本よ?で、勝つってね。こういう野球を、物凄くしたかった」

 対戦前には「全員にセーフティー(バント)させます」などと奇襲をちらつかせたが、セーフティーバントの構えは2回だけ。「ああいう投球を見たら、せこいことをやるとはならなかった。堂々と打ちにいきなさい、とさせてくれた投手でした」。打率リーグトップの松本剛が新型コロナ感染予防のため自主隔離して欠場する中、先発に7人の左打者を並べた。佐々木朗に対して打者24人中15人が第1ストライクからスイングしたが、積極策も実らなかった。

 9回に右腕の交代のアナウンスが流れると指揮官は「一ファンとして(9回を)見たかった」とベンチで頭を抱えた。交代には「俺が向こうの立場なら行かせたかったけど、やっぱり、代える…難しいね。勝っていたらいかせただろうし」と決断をおもんぱかった。

 試合を決めたのは、7回から出場していた万波の一振りだ。3番手・西野のフォークを中堅右へ運び「テンションが上がりすぎて言葉にならない。ノーヒットは打った後に気づいた」と興奮を隠さず。一方の新庄監督は万波が打つ前に「バックスクリーンへの本塁打で1点入るぞ」と予言していたと明かしつつ、「あそこで打つんだからそりゃ凄い」とヒーローを称えた。

 ロッテに2連勝し、開幕から7カード目で初のカード勝ち越し。直近5試合は4勝1敗だ。「サンデー朗希」が継続なら5月1日に再戦。「不思議」な白星を収めたビッグボスは「その時はパーフェクトを見たい」と笑わせた。(東尾 洋樹)

 ◆東急の49年10月1日の中日戦 8回2死、無安打無得点投球を続けていた「フォークの神様」中日・杉下茂に、浜田の打球が直撃。打球は遊撃・杉浦が処理したが、無安打投球を続けていた杉下は負傷降板となった。2番手で登板した服部受弘は9回を抑えたが、延長10回、先頭の「青バット」大下弘が服部の3球目、真ん中の球を右越えにチーム初安打となる先制のソロ本塁打。この1点を守り、中日の10連勝を阻止した。杉下、大下は引退後に野球殿堂入り。服部は背番号10が永久欠番になるなど豪華メンバーによる激闘だった。

 《前身・東急の大下が決勝弾》日本ハムが延長10回、万波のソロ本塁打による1安打1―0勝利。ソロ本塁打による1安打1―0勝利は01年9月28日広島戦の横浜(本塁打=中根仁)以来21年ぶり10度目。延長戦に限れば49年10月1日中日戦で東急の大下弘が服部受弘から本塁打して以来73年ぶり2度目となった。

 《パ初2度目17三振以上で勝利》日本ハムが1試合17三振。日本ハムの17三振以上は18三振した18年10月4日楽天戦(○4―3)以来3度目だが、18年に続き今回も勝利。1試合17三振以上での白星は19年4月9日中日戦の巨人(○3―1=17三振)に次いで8度目、2度勝ったのは巨人に次いで2球団目、パでは初めてとなった。

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2022年4月18日のニュース