広島・末包 二塁打2本で長打力アピール 山本、梵に続くドラフト新人3人目の開幕スタメンあるぞ

[ 2022年3月12日 05:30 ]

オープン戦   広島6-5日本ハム ( 2022年3月11日    マツダ )

<広・日>4回、末包は2点適時二塁打を放つ(撮影・奥 調)
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 広島のドラフト6位・末包昇大外野手(25=大阪ガス)が11日の日本ハム戦で決勝の2点打を含む二塁打2本と躍動した。中軸候補が1軍にそろったことで、今春初めて4番から外れて「7番右翼」での先発。一時16打席無安打を経験した不振からは完全に抜け出し、ドラフト制以降の球団新人では2006年の梵以来となる開幕スタメンに前進した。

 どの打順だろうと、末包の長打力は魅力的だ。今春の対外試合12戦目にして初めて4番を外れた一戦。「打順がどうであれ、開幕1軍に向けて結果を残さないといけないと思っていた」。7番でも、4番打者のように強振するつもりだった。

 2回2死無走者では、池田の高めに抜けたスライダーを左翼線に運ぶ二塁打とした。同点に追いついた4回1死一、二塁では、カウント3―1からの直球をはじき返し、強烈なライナー性で中堅を越す2点二塁打を決めた。

 「がっついて、いい結果が出ていなかった。一つ冷静になれた」

 9日の阪神戦で安打を放つまで16打席連続無安打と不振に陥った。その間は変化球の見極めに苦戦。一転、4回の勝ち越し打は、3球続いた際どい外角スライダーにバットが止まり、カウント有利にしたことで生まれた。

 「あそこを止められるかで大きく変わってくる。投手を窮屈に見るのではなくて、全体的にぼんやり見るようにした。そうすることで、スライダーもがっつかずに呼び込んで打てるかなと思った」

 4番から外れたのは、松山、坂倉、西川と中軸候補が1軍にそろったため。決して首脳陣の評価が下がったわけではない。佐々岡監督は「今日みたいに7番で打ってくれたら打線の厚みは増す。まだまだ使って経験させたい」と評価し、今後の先発継続を認めた。

 また、一塁の松山が戻ってきたことで、4試合ぶりに右翼での先発出場だった。中村健らを押しのけて外野での出場機会を与えられたのは、右翼争いの中で一歩リードしている証。指揮官は「競争して、良いものを見せれば開幕(スタメン)はある」と今後のアピールを求めたが、開幕先発に前進していることは間違いない。

 ドラフト制以降の球団新人で開幕スタメンをかなえたのは、69年山本浩司(現浩二=6番・中堅)、06年梵英心(6番・二塁)の2人しかいない。「やっぱり長打を狙いたい。小さくならず、どんどん積極的に大きく振っていく」。6位入団が一発長打で球団史を更新しようとしている。(河合 洋介)

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2022年3月12日のニュース