阪神・大山2年連続20号 決戦前に吉兆 85年以来「不屈のカルテット」 令和の伝説Vはここからや

[ 2021年10月8日 05:30 ]

セ・リーグ   阪神3ー4DeNA ( 2021年10月7日    横浜 )

<D・神(25)>6回、脇腹に死球を受け、倒れ込む阪神・大山(撮影・北條 貴史)
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 球団史にまた一つ、新たな勲章を刻んだ。1点を先制した直後の3回2死二塁。カウント1―1からの甘いカットボールを、大山が一閃(いっせん)した。左翼席に突き刺す2ラン。球団では04~09年の金本知憲、生え抜きでは04~05年の今岡誠以来となる2年連続の20号に到達した。

 「甘く来たボールを一発で仕留めることができた。(伊藤)将司が頑張って投げてくれているので、援護することができて良かったです」

 2試合ぶりの一発は、もう一つの記録を打ち立てた。佐藤輝、マルテ、サンズに続く大台到達で、20発カルテットが誕生。球団では日本一に輝いた1985年のバース、掛布、岡田、真弓以来、36年ぶりの偉業で、頂点を目指す上で吉兆と言えるだろう。

 得点力不足にあえぐ打線にあって、自身の打撃は確実に右肩上がりだ。9月26日巨人戦からの10試合で4本のアーチを量産。連続試合安打は8まで伸び、その間の打率は35打数12安打の打率・343、9打点で4番としての矜持(きょうじ)を示す。矢野監督からは「2死からのああいう得点で大きかった。チームの勝ちのためにも1本でも積み上げていってくれたら」と改めて全幅の信頼を寄せられた。

 激痛にも耐えた。6回先頭の第3打席では、ロメロの150キロ直球が左脇腹を直撃。その場に倒れ込み、しばらく動けなかった。だが、自力歩行でベンチに戻ると、数分の治療を受けた後、全力疾走で一塁へ。不屈の精神で最後までプレーを続けた。

 きょう8日からは、シーズンの行方を左右するヤクルトとの3連戦が待つ。1敗もできない戦いとなるが、今季もチームの苦境を救う一打を追い求めてきた。死ぬ気でやるなら、今しかない。主砲、そして主将として、立ちはだかる大きな壁を打破してみせる。(長谷川 凡記)

 ○…大山(神)が2年連続となる20号。阪神の生え抜きで2年以上連続20本塁打は04~05年の今岡誠以来9人目となった。今季は佐藤輝、サンズ、マルテも20本を放っており、20発カルテットは1985年以来、36年ぶり4度目。チーム129試合目は、76年の116試合目を超える最も遅い達成となった。

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