広島・誠也 4戦ぶりスタメン復帰即33号満塁弾!中日・大野雄撃ちで4位浮上「チームに迷惑かけていた」

[ 2021年10月8日 05:30 ]

セ・リーグ   広島5ー2中日 ( 2021年10月7日    バンテリンD )

<中・広25>5回1死満塁、鈴木誠は先制となる中越え満塁ホームランを放つ(撮影・椎名 航)
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 広島・鈴木誠也外野手(27)が4試合ぶりに先発復帰した7日の中日戦で先制の33号アーチをかけた。5回1死満塁で大野雄の内角球を中堅左へ。昨年6月20日のDeNA戦以来、球団5位タイとなる通算6本目の満塁弾だ。2連勝で9月9日以来の4位浮上に貢献した。

 その瞬間、大野雄は打球を振り返って追わなかった。衝撃音にすべてを悟り、きびすを返して苦笑した。初回1死一、二塁で空振り三振、3回1死満塁でも一飛に倒れながら、3度目の対戦で真価を発揮した鈴木誠は、破顔一笑だった。

 「チャンスで2打席凡退していたので、何とか(したい)という思い。本塁打はたまたまですが、チームが勝てたのは良かった」

 5回1死満塁の絶好機。カウント1―2と追い込まれながら、4球目の147キロ内角球をノーステップで捉えた打球はバックスクリーン左へ着弾した。先制の33号。昨年6月20日のDeNA戦以来で江藤智、前田智徳と球団5位で並ぶ、通算6本目の満塁弾だった。

 ライバル球団の若き主砲に刺激を受ける。リーグトップの打率・321。2年ぶりの首位打者を視界に捉えるものの、OPS(出塁率+長打率)を重視する鈴木誠は「結果的に獲れればいいけど、こだわりはない」とし、2人の名前を挙げた。

 「得点圏で打てる方が魅力があるし、出塁率や長打を意識しているので(岡本)和真や(村上)宗(隆)はうらやましい。勝負強さはすごいし、ああいう打者を目指したい」

 その実、広島の主砲はOPS1・072でもリーグトップを誇るが、100打点超の勝負強さを学ぼうとする姿勢は鈴木誠らしい。佐々岡監督は「ああいう場面で打ってくれるのがね。(1、2打席凡退の)悔しさもあったと思う」と称えた。

 前日6日に走塁練習を再開し、4試合ぶりの先発復帰でウップンを晴らした。ベンチスタートの理由は伏せられても、下半身のコンディション不良は明らかで、首脳陣は慎重にスタメン復帰のタイミングをはかっていた。

 「チームに迷惑をかけていたし、フラストレーションもたまっていた。試合に出られないのは嫌なので、この後はなるべく欠場しないように、しっかりコンディションを整えたいたいと思います」

 難敵をひと振りで粉砕し、チームを4位浮上に導いた。4番打者の値打ちだった。(江尾 卓也)

《カープ現役最多6本目満弾》鈴木誠(広)が決勝の33号満塁本塁打。満塁弾は20年6月20日DeNA戦で平田から放って以来6本目。広島の現役選手では最多で、山本浩二11本、新井貴浩8本、衣笠祥雄と緒方孝市7本に次ぎ、前田智徳と江藤智に並ぶ5位となった。

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2021年10月8日のニュース